【歯科医 石井さとこさんに40代読者が相談!】歯槽膿漏?怪しい歯のあたりから、不快な口臭がします…
「唾液の量が減ってしまうOurAge世代。口臭にも、いろいろな原因が隠れていることがあります」と、歯科医師の石井さとこさん。歯磨きなど、日々の口腔内ケアはもちろん大事。でも、それだけでは解決しない口臭はどうすれば? 歯科医の視点から、口臭対策の考え方について、大切なことを伺った。
<悩み>
夫から、起床時の口臭を指摘された時がありました。マウスウォッシュを使用しても改善せず、自分なりに調べたところ、「歯と歯の間の汚れが原因」というのを目にし、フロスを使うようになりました。起床時の口臭は改善してきたものの、最近は一本の歯の間からだけ、歯槽膿漏を疑う不快な臭いがするのが気になっています。 (40歳・会社員)
<回答>
セルフケアは続行しつつも、速やかに歯科医へ!
「朝いちばん歯磨き」を習慣に
「いただいた悩みの中には、口臭にまつわる重要なポイントがいくつかありました。ひとつずつ整理して、お答えしていきますね。 まずひとつめは、朝起きた直後の口臭。これは起床時口臭という生理的な口臭で、誰にでも起こりうるものです。原因は、夜間の睡眠中に唾液が半減すること。そこから嫌気性菌と呼ばれる歯周病菌が活発になることで、臭いが発生するというメカニズムです。睡眠時、口呼吸になっている方は、特に起床時口臭が強くなる傾向にあります。 ちなみに朝の口の中は、便10g分の雑菌に相当すると言われるほど、菌の温床になっている事実をご存じですか? つまり『夜寝る前に歯磨きをしたから、起床時は汚れていないはず』というのは大きな間違い! 私はクリニックの患者さんにはいつも、朝いちばんの歯磨きを推奨しています。 相談者さんは現在、起床時口臭は改善されているとのこと。でも朝いちばんに歯磨きをし、口腔内に刺激を与えると、唾液量が増えて細菌も減らせるという一石二鳥の効果があります。今後の口臭予防のためにも、ぜひ習慣にしていただきたいなと思います」
マウスウォッシュやフロスの活用は◎ ただし、あくまでも「プラスアルファ」
「ご自身で積極的にお調べになり、いろいろと活用されているのはすばらしいことですね。起床時口臭については、フロスの使用で改善されたようですね。私も日々、いろいろなケア用品をあれこれ試して使っています! ただ、間違えてほしくないのは、マウスウォッシュは、あくまでもプラスアルファのケアである、ということ。起床時口臭について、また次に書かれている歯槽膿漏疑いの歯についても、自己診断をされている点がとても気になりました。『一本の歯の間からだけ、歯槽膿漏を疑うような不快な匂いがする』とのことですが、まずは速やかに、歯科医を受診してください!」