生理痛や生理不順の改善におすすめ「桂枝茯苓丸」【薬剤師が教える漢方薬辞典】

「苦いけど体によさそう」「葛根湯は知っているけど……」など、「そもそも漢方ってどんなもの？」と思っている方も多いのではないでしょうか。 写真はこちらから→生理痛や生理不順の改善におすすめ「桂枝茯苓丸」【薬剤師が教える漢方薬辞典】 そんな基本的な漢方に関する疑問や基礎知識を、漢方の専門家にわかりやすく解説してもらいます。 今回のテーマは、「桂枝茯苓丸（けいしぶくりょうがん）」です。あんしん漢方（オンラインAI漢方）の薬剤師、碇純子さんに教えてもらいました。

桂枝茯苓丸はどんな方におすすめ？

桂枝茯苓丸が向いている方の体質や悩みを3つご紹介します。 1．生理痛や生理不順に悩んでいる方 桂枝茯苓丸は、生理痛や生理不順に悩んでいる方におすすめです。 血液の流れを整えることで、冷えを取り除いたり卵巣の働きの低下を防いだりして、生理痛や生理不順の改善に働きかけます。 2．下半身の冷えに悩んでいる方 桂枝茯苓丸は、下半身の冷えに悩んでいる方にもおすすめです。 血液の流れが悪く全身に栄養や熱が行き渡らないと、上半身はのぼせて下半身は冷える「冷えのぼせ」の状態になります。温かいものは上へ、冷たいものは下へたまる性質があるためです。 桂枝茯苓丸は、血液の流れを整えて、下半身の冷えや冷えのぼせの改善に働きかけます。 3．体力中等度以上の方 桂枝茯苓丸は、比較的体力がある、体力中等度以上の方に適した漢方薬です。 体力とは、病気への抵抗力（いわゆる免疫力のレベル）や、現在の体力の状態などを目安にしています。中等度以上とは、通常の生活を送るのに支障がないくらいの体力のことをいいます。 適切な漢方薬を見極める基準のひとつであり、桂枝茯苓丸の目安は中等度以上のため、胃腸が弱い、下痢しやすいなど、体力に自信がない方には向いていません。

桂枝茯苓丸とは？

桂枝茯苓丸とはどのような漢方薬なのか、効能・効果や基本の飲み方を解説します。 1．効能・効果 桂枝茯苓丸は、血行不良による生理痛や生理不順、下半身の冷えなどの改善に働きかける漢方薬です。 桂枝茯苓丸は5つの生薬、桂皮（けいひ）、芍薬（しゃくやく）、桃仁（とうにん）、茯苓（ぶくりょう）、牡丹皮（ぼたんぴ）で構成されています。 生理痛や生理不順、下半身の冷え以外にも、滞った血液の流れを整えることで、女性のホルモンの変動に伴うイライラなどを改善する作用があります。 2．基本の飲み方 桂枝茯苓丸は、1日2～3回、食前（食事の約30分前）または食間（食事から約2時間後の空腹時）に水やぬるま湯で飲んでください。年齢や体重、症状によって服用量が増減することがあるため、必ず指示された服用方法に従いましょう。 飲み忘れた場合は、食後や気づいたときに1回分飲んで問題ありません。次の服用まで2時間以内の場合は、1回分を飛ばしてください。2回分以上をまとめて服用してはいけません。用法用量を守って服用してください。