センバツ高校野球 大垣日大に春切符 晴れ舞台で健闘誓う /岐阜
27日に行われた第95回記念選抜高校野球大会(毎日新聞社、日本高校野球連盟主催、朝日新聞社後援、阪神甲子園球場特別協力)の選考委員会で出場が決まった大垣日大。2年連続5回目の「春切符」を手にしたナインは、神戸町末守の雨天練習場で歓声を上げ、晴れ舞台での健闘を誓った。組み合わせ抽選会は3月10日。同18日に兵庫県西宮市の阪神甲子園球場で開幕する。【黒詰拓也】 午後4時、雪のため雨天練習場で汗を流していた選手たちに吉報が伝えられた。「センバツ出場校に選んでいただきました。東海、岐阜の代表として思う存分やり切ってほしい」。出場決定を確認した古田健二校長の一言にナインは満面の笑みを浮かべ、「よし」と気合を入れた。 主将の日比野翔太(2年)は「1週間前から楽しみでわくわくしていた。魂を込めて練習してきたプレーを甲子園で見せたい」と意気込み、昨春のセンバツで登板し、秋はチームを東海大会4強に導いた山田渓太(2年)は「ダッシュでスタミナを強化した。優勝を目指す」と決意した。 愛知県の東邦時代も含め、半世紀以上にわたって高校野球の監督を務める阪口慶三監督(78)は全国で勝ち上がるために冬場は特に守備を鍛えてきたと強調。「甲子園には私の人生が詰まっている。『やってやるぞ』と燃えている」と語った。 大垣日大は昨秋の県大会で順調に勝ち進み、昨夏の甲子園に出場した県岐阜商などの実力校を破った。決勝で中京にサヨナラ負けしたものの、東海大会では愛工大名電、三重に勝利。準決勝で東邦に敗れたが、愛知県王者に食い下がる粘りを見せた。また、試合中に足がつって動けなくなった主力選手に他の選手がすぐに駆け付け、背負ってベンチに運ぶなどチームワークも光った。 選手たちは昨秋の悔しさを糧に練習に励んできた。体力を付けるためにチーム全体で体重を増やすことを目標に掲げ、下半身がどっしりとしてきた選手もいる。この日、センバツ出場を決めて笑顔を見せた選手たちはミーティングで気持ちを切り替え、表情を引き締めた。昨春のセンバツでは2回戦で敗退しただけに、今回はさらなる高みを目指す。 ◇号外手に「うれしい」 大垣日大のセンバツ出場決定を伝える毎日新聞の号外が27日、同校の雨天練習場周辺で配られた。受け取った選手や保護者たちは、ナインの活躍を紹介する記事に見入った。 川島功聖(2年)の母、美世子さん(51)は「昨年の大会を思い出して感動した。また甲子園で選手たちを見られると思うとうれしい」と笑顔を見せ、矢野海翔(2年)の祖父、弘徳さん(62)は「写真が大きく選手の表情がよく分かる。孫は投手なので、甲子園では切れのあるボールを投げ込んでほしい」と期待を込めた。 ……………………………………………………………………………………………………… ◆学校紹介 ◇春4回、夏5回甲子園に 1963年に前身の「大垣高校」として開校した私立校。89年に現在の校名になった。野球部はこれまで甲子園に春4回、夏5回出場した経験があり、最高成績は2007年春の準優勝と同年夏の8強。昨年のセンバツは1回戦で只見(福島)に6―1で勝ち、2回戦で星稜(石川)に2―6で敗れた。05年から指揮を執る阪口慶三監督は、東邦(愛知)の監督時代も含め昭和、平成、令和の3元号を通して甲子園で勝利している。 野球部以外にも部活動が盛ん。柔道や相撲、レスリングなどが全国レベルで、書道部や吹奏楽部なども活発だ。男子陸上競技部は22年12月に京都市で行われた全国高校駅伝競走大会に初出場を果たしている。 ……………………………………………………………………………………………………… ◇県大会地区予選 11―1 池田 11―2 大垣養老 10―0 大垣西 3―0 大垣工 ◇県大会 1回戦 14―1 中津 2回戦 12―0 本巣松陽 3回戦 2―1 帝京大可児 準々決勝 9―3 県岐阜商 準決勝 5―2 市岐阜商 決勝 3―4 中京 ◇東海大会 1回戦 1―0 愛工大名電 2回戦 4―2 三重 準決勝 4―7 東邦