弓削智久【3】若い時にしか出せない未完成な味がある「筋肉バキバキになるのは…」
2002年に「仮面ライダー龍騎」(テレビ朝日系)の由良吾郎役で注目を集めた弓削智久さん。2007年、W主演をつとめた映画「サクゴエ」(本田隆一監督)で脚本家デビュー。2009年には、「仮面ライダー龍騎」で共演した須賀貴匡さんを主演に迎え、短編映画「FREE」で監督業にも挑戦。12月14日(土)には映画「きみといた世界」(政成和慶監督)の公開が控えている。
■監督業にチャレンジ「向いてないなって…」
2009年、短編映画「FREE」で初監督を果たし、その撮影に密着したドキュメンタリー映画「バカは2回海を渡る」(渡邊貴文監督)も公開された。移動時間360時間、移動距離にして4000km、広大なアメリカを舞台に繰り広げられる2人の旅を追ったもの。 思わぬアクシデントも勃発する。 「『FREE』で初めて監督をやらせてもらったんですけど、監督には向いてないなって思いました。舞台がアメリカだったということもあるし、難しかったです。監督はもう二度とやらないというきっかけになりましたね」 ――「仮面ライダー龍騎」の須賀貴匡さんとのコンビが良い雰囲気でしたね。龍騎の(由良)吾郎ちゃんのイメージがあったのですが、ハンディカムがないとか、ドタバタしているのが新鮮でした 「基本的にだらしのない人間なんですよ(笑)。ハンディカムの紛失やレンタカーのIDの置き忘れとか…いろんなことがありましたね。『あれがない、これがない』ってよくやっていました。今でも車の鍵がないとかって朝ドタバタしていることが結構あるので(笑)」 ――そんな風には見えないですね。シャキッとしているイメージで 「自分ではシャキッとしているつもりなんですけどね(笑)。たまにものがなくなっちゃったり…というのはありますね」 ――須賀さんとのコンビネーションもいいですね。弓削さんがバタバタしていても須賀さんは淡々としていて面白い組み合わせだなって 「そうなんですよ。須賀くんは冷静でした。僕だけ毎回移動する時にも荷造りでバタバタしていました。移動するのがわかっているのに毎回何かやっていました。生理的に1回全部荷物を出さなきゃダメなんですよね。最近変わってきましたけど、1回全部出して畳み直して…ということをしないと落ち着かないんです」 ――それにしても「バカは2回海を渡る」というのは、すごいタイトルですね 「タイトルは、高崎卓馬さんという有名なCMプランナーの方が付けてくれたんです。だから僕のアイデアではないんです。高崎さんがあの映像を見て、このタイトルがいいって」 ――撮影も含め、アメリカでの体験はいかがでした? 「広大な風景の中にいると、小さいことで悩むのはバカらしいなって思いました」