50年以上前のポルシェってぶっちゃけ金食い虫? オーナーが語る維持費のリアル
空冷ポルシェとの生活とは
愛車は1970年式ポルシェ911S、主治医が命名した「プラレール号」なんて呼ばれています。いわゆる「ナローポルシェ」に属するこのモデルを手に入れて12年、本格的に走り出してから5年ほど経ちました。 【画像】ボディ全体がパッチワークで囲われたポルシェ911などの画像を見る 「空冷ポルシェ911に乗りたい」という声をしばしば耳にしますが、なにかと手が掛かるイメージが強いナローポルシェを手に入れようと思う方は少ないかもしれません。が……何らかの参考になれば幸いです。 ●普段の乗り方について 日々の生活を優先していると、趣味車に乗るのはあとまわしになりがちです。気がつくとあっという間に1カ月くらいほったらかしにしてしまいそうで、年間カレンダーにいつ乗ったのかがわかるように目印を付けて「次は○○日あたりに乗ろう」と決める際の目安にしています。そんな努力の甲斐(?)もあって、だいたい2週間に1度のペースで、高速道路をメインに1時間ほど、距離にしておよそ50km走らせる習慣が身につきました。 この「2週間に1度のルーティンワーク」、順を追って説明すると(クルマに乗る前段階は長くなるので割愛します)、チョークレバーを引いてエンジン始動。外気温やそのときのエンジンの状態(機嫌?)にあわせて、だいたい1500回転前後で落ち着くようにレバーを微調整していきます。ほど音で判断しているので、タコメーターはあくまでも目安です。 その後、自宅駐車場で暖機運転は行わず、するするとスタート。油温計を見ながらゆっくり走り、少しずつ油温が上がっていくのを確認しつつ、チョークレバーを元の位置に戻していきます。油温計の針が冬場であれば80度、夏場は90度を指し、安定してきたタイミングを見計らって高速道路に乗るルートを選んでいます。 高速道路では流れに乗りつつ、道が空いたときにシフトダウンして加速……といった乗り方です。プラレール号に積まれているエンジンには、いわゆる「メカポン」といわれる機械式の燃料噴射装置が使われています。このメカポン、アクセルペダルの踏み込み量に対してとてもダイレクトで、電子制御とはまた違った「直結感」が味わえます。このフィーリングに味をしめてしまうと「最新のポルシェは最良のポルシェ」だけではない世界があることに気づかされます。 それはさておき、主治医からは「上まで回さないと、回らないエンジンになっちゃうよ」といわれているので、高速道路で、道が空いたらなるべく高回転まで回すように心掛けています。高速道路を降りてからはなるべく渋滞しているルートを避けて下道を走りながら帰宅。ここまででだいたい1時間強といったところです。時間に余裕があるときは、クルマ&バイク好きの人が集まるカフェまで足を伸ばし、お店の方たちと談笑してからワインディングを走って帰宅することもあります。 ちなみに、よほどの用事がない限り、雨の日は乗りません。また、猛暑日のような日も乗るべきか悩みます。なにしろエアコン&オーディオレスなので、本当にただ運転するだけ。10代の頃にアルバイトをしていた酒屋さんの配達用の軽トラ(ダイハツ・ハイゼット)がまさに同じ仕様でした。これで多少鍛えられたとはいえ、ウン十年前は猛暑日なんてくくりもありませんでしたから、人もクルマもバテバテになるのがホントのところです。