コツコツッ、ゴロゴロ「スムーズなホイール回転」はベアリングが命!!
ベアリングホルダーも点検洗浄
新品ベアリングを組み込む際には、ベアリングホルダーの汚れをしっかり洗浄して拭き取り、新品ベアリングの外周にグリスを塗布して伸ばしてからベアリングをセットしよう。ホルダー内の汚れや潤滑不足がホイールハブ側の原因で、アウターレースがスムーズに挿入できないこともあるからだ。
セット時はアウターを叩く専用ドライバーを利用しよう
ベアリングドライバーの傾きに注意しながらアウターレースを叩いてホイールハブにベアリングを徐々に圧入していく。スポークホイールを組み立てる前のハブ単体状態なら、油圧プレスを利用することで、より確実なベアリング圧入を進行できる。ベアリングドライバーの中には、叩き込み時のズレを防止するため、ベアリング内輪にガイドをセットするタイプもあり、この商品は使い易い。内輪ガイドがあることで、軸センターを傾けることなく確実な圧入と叩き込みが可能になるのだ。ベアリングカバーとなるダストシールをセットする時には、リップ部分にラバーグリスをしっかり塗布して作動抵抗を無くそう。 ────────── POINT ■ポイント1・特殊工具を使ってベアリングを抜き取っても、一度抜き取ったベアリングは原則再利用しないのが基本だ。 ■ポイント2・ベアリングからゴロゴロ音や明らかにガタが出ている場合は、左右ベアリングの内輪を位置決めするディスタンスピースにも要注意。側面が摩擦で減っていたり、ピカピカに輝いているときには新品カラーに交換しよう ■ポイント3・セット時にはベアリングドライバーを利用して確実に作業しよう。内輪固定のズレ防止ドライバーは圧倒的に使いやすい ────────── 前後ホイールがスムーズに回転することを約束してくれる重要な部品、それがホイールベアリングである。昔と比べて舗装路面が多くなったことから、ホイールベアリングが痛む例はかなり減ったと思うが、それだけに、オフロード車の世界では、今も昔もホイールベアリングに注目しているメカニックが多い。ロードバイクでも、ツーリング先でホイールベアリングにトラブルが起こると、これがまた大変!!以前にあっ実話だが、ツーリング先で前輪ベアリングが焼き付いてしまい、ホイールが回らなくなってしまった。大型車のナナハンが、まったく動かない=押し歩きもできなくなってしまったので、レッカーサービスを呼んで車両を引き上げて頂くことになった。前輪からコツコツ音が出ていたことに気が付いていたオーナーさんだが、そのままツーリングへ出掛けてしまった結果が、そんな出来事となってしまった。 また、ホイールベアリングの焼き付きによって、ホイールに対してアウターレースが回ってしまった。ガタに気が付いたので分解すると、何とホイールが削れてベアリングホルダーがガタガタになってしまった。結果的には、ホイール交換に陥ってしまい、その部品費用が……。外車なので高値だったそうだ。 ホイールベアリングがダメージを受けていることに気が付かないと、その代償は大きなものとなってしまう。ベアリングコンディションが悪く、グリスが真っ黒だったり、カサカサに乾燥したような状況に気が付いたなら、新品ベアリングへ交換することをお勧めしよう。特に、中古車の購入時のメンテナンスなどで、タイヤ交換する際には、転ばぬ先の杖として、前後ホイールベアリングおよびリヤスプロケットのカップリングに組み込むベアリングも、新品部品に交換するように心掛けよう。大型車から原付クラスまで、車格によってホイールベアリングサイズは異なるが、部品代金は、ベアリング1個あたり数百円~程度なことも知りば、ホイールベアリングに対する認識は変わりますよね!?
たぐちかつみ