「ドライバーの飛距離は9番アイアンの2倍」って本当? 多くのゴルファーが“目安”に到達しない理由
現在はピッチングウェッジの2倍と考えるのが妥当
ゴルフを始めたばかりのビギナーは、ウェッジや9番アイアンなど比較的打つのが簡単なクラブから練習していくのが一般的です。ドライバーやフェアウェイウッドなど、長いクラブは難易度が高いので、初心者のうちは「平均飛距離でいったら7番アイアンのほうがドライバーより飛ぶ」といったことも間々あります。 【写真】ロフトを立てた構えで失敗する人が多い! これが正しく構えてヘッドを上から見た時の景色です
しかし、段々とドライバーがまともに当たるようになると、自分はどのくらい飛ばせるのか知りたいと思うようになるでしょう。昔からいわれている一つの目安として、「9番アイアンの2倍の飛距離がドライバーの飛距離」というものがあります。 9番アイアンで110ヤード飛ぶアマチュアは、だいたい220ヤード飛ぶことになりますが、この理屈は正しいのでしょうか? ツアープロ兼レッスンプロの綿貫直基プロは、以下のように話します。 「過去にメーカーなどが実証実験をしていて、『ドライバー飛距離はロフト角が41~43度のアイアンクラブのほぼ2倍に等しい』という結果が出ているので、9番アイアンの2倍がドライバー飛距離という目安が定着してきました」 「しかし、最近のアイアンはパワーロフト(ストロングロフト)といって、ロフト角が立っているものが主流となり、ピッチングウェッジでも41~43度しかないものが多くなってきています。そのため、最近では9番アイアンではなく『ピッチングウェッジ』の2倍程度と表現するほうが適切な気がします。もちろんモデルによってロフト角が違うので、ロフトが寝ているトラディショナルなアイアンを使用している場合は、9番アイアンの2倍と考えていいでしょう」 9番アイアンが120ヤードなら、従来の“公式”に当てはめると240ヤード飛ぶはずですが、大半のゴルファーがストロングロフトのアイアンを使っている現在、なかなかそこまで到達しないのはある意味で当然なのです。現在は番手というよりも、ロフト角41~43度のクラブを基準にするのが良さそうです。