阿部巨人初5連敗で交流戦V逸…初回5失点も岡本和真19打席ぶり安打に9回執念1点差、立岡美技に光
◆日本生命セ・パ交流戦 楽天5―4巨人(12日・楽天モバイル) 巨人が楽天に敗れ今季初の5連敗を喫し、交流戦優勝が消滅した。先発の堀田賢慎投手(23)が初回にフランコの3ランなど7安打5失点で出はなをくじかれ、3回途中5失点で降板。打線は4回、不振の岡本和に適時二塁打が生まれ、9回には泉口がプロ初猛打賞となる2点二塁打を放って追い上げたが、1点及ばなかった。最大5あった貯金は底をついて5月6日以来の勝率5割に。もがき続けるチームを巨人担当・片岡優帆キャップが「見た」。 * * * 電光石火の速攻で攻略された。先発の堀田が初回打者一巡10人の猛攻を浴びて7安打5失点。まだ空が明るい中、4連敗中のチームに大量点が重くのしかかった。2回2/3で降板した右腕について阿部監督は「ローテーションに入れていた僕の責任です。すみません」と責めなかったが、思わぬ形で出はなをくじかれた。 球種が少なく、主に直球とチェンジアップを軸とする堀田対策として、楽天は積極的に振ってきた。3番・辰己の先制打の後、鈴木大に初球を右前適時打、渡辺佳にも初球を右前に運ばれた。浅村を初球で投ゴロも、続く7番・フランコにまたも初球を左翼席への3ランとされた。この時点で先頭から打者7人と対戦し、わずか12球で5安打5失点。捕手の岸田はボール球を要求しているように見えたが、ストライクゾーンに入った球を痛打された。 阿部監督も「(捕手の岸田が)ボール球から入ろうとしていることもちゃんと見えていたけど、投手が応えられなかった」と振り返った。試合前まで防御率1点台と奮闘してきた堀田を登録抹消し、リフレッシュ期間を与える。 今季初の5連敗で貯金が0になり、勝率5割になった。踏ん張りどころの今、下を向いていても状況は変わらない。試合中、私は何か良い部分を探そう、という気持ちで見ていた。 4回の岡本和の19打席ぶり安打となる適時二塁打の瞬間、ベンチ内がいつも以上に盛り上がっていた。やはり4番が打つとムードが良くなると再確認した。9回に1点差まで迫った反撃にも全員の執念が見えた。 打順は初めて5番にヘルナンデスを入れ、2番に坂本を起用して2人を入れ替えた。「(4番の)和真のあとが鬼門になっていたので、なんとか5番で打率のいいヘルナンデスをもっていきたかった。固定していてもどうしようもないし、じゃあ岡本を外せるかといったら外せない。今いるメンバーで必死にやっていくしかない」と阿部監督。今後も試行錯誤が続きそうだ。 守備では左翼の立岡がスライディングキャッチにダイビングキャッチ。左膝手術歴のある男のガッツあふれるプレーに沸いた。阿部監督は以前から「大事なのはダメな時にどういう心構えでプレーするか。みんなが同じ方向を向いてできたら」と話していた。交流戦優勝が消滅し、苦境だが、チームの雰囲気は悪くなく、一丸で前を向いている。仕切り直して再加速する力は十分あると見ている。(片岡 優帆)
報知新聞社