シメオネ、アトレティコでレギュラーの座を与えた三男ジュリアーノについて…「私は彼の父親だ。だが起用しない馬鹿にはなれない」
アトレティコ・マドリーのディエゴ・シメオネ監督が、自チームでレギュラーとしてプレーする三男ジュリアーノ・シメオネについて語っている。 アトレティコの下部組織で大きな存在感を放ったジュリアーノは、昨季レンタルによってアラベスで過ごし、今季からアトレティコのトップチームでプレー。アトレティコは今季序盤こそ低調だったが、21歳FWが出番を増やしたタイミングあたりから一気に調子を上げた。 ジュリアーノは4-4-2の右サイドハーフとして、凄まじいスピードでピッチを駆け抜け、相手守備陣に穴を空けることでチームに大きく貢献。ラインを割りそうなボールに必死に追いつこうとするガッツや、相手選手との競り合いで負けまいとする闘争心は父親譲りであることを感じさせ、サポーターから愛される存在となっている。 シメオネ監督はアメリカ『テレムンド』とのインタビューで、そんなジュリアーノについてコメント。たとえ息子であっても、遠慮などせず絶対起用すべき逸材との見解を示している。 「これまでは、自分の息子を指揮することはないと言ってきた。ただ、それは自分の息子を移籍金を支払って獲得し、ここに連れてくることを想定して話したことだった(シメオネ長男ジョバンニはリーベルの下部組織出身でその後にイタリアでプレー)」 「その一方でジュリアーノは16歳でアトレティコのアカデミーに加わり、2部リーグで素晴らしいシーズンを送っている。その後にはアラベスに移籍し、序盤に深刻な負傷(腓骨骨折&足首脱臼)を負ったものの、彼は立ち上がり闘い抜いた。最後の6節では、1部リーグでも重要な選手になれることを示したんだよ」 「その直後、アルゼンチンの五輪代表がジュリアーノのことを招集した。私は五輪に向かう彼に注目し、自分にこう言い聞かせたんだ。『私は彼の父親だ。しかし馬鹿じゃない』とね」 シメオネ監督は、ジュリアーノを起用する理由が自分の息子だからではないことを強調した。 「私が望んでいるのは勝利であり、彼の名前がシメオネでもペレスでも、本当にどうでもいいことだ。何より素晴らしいのは、彼自身がそれを理解しているということにほかならない」 「私が父親としてジュリアーノのことを見るなどあり得ない。練習場に入り、そこを出ていくまで、彼を私の息子として扱うことは絶対にない。ジュリアーノは私たちが想像していた通りの意思の強さは示している。このまま、成長し続けることを願っているよ」 シメオネ監督はその一方で、指揮官として13年を過ごすアトレティコを、いつの日か退団することになると語っている。 「私は今を生き、今はアトレティコのために自分が持つすべてを捧げている。私は強大なチームたちと、彼らと違う場所から戦っていくことを好んでいる。私は挑戦が好きなんだよ」 「分かっているさ。クラブのため、または自分のために、一緒に続けないと決断する瞬間がいつかやってくることは。それが起きるのは1年後かもしれないし、もしかしtら8年後かもしれない。分かっているのは、違う道、違う経験をするためのプロセスをいつか踏むことになる、ということだ」