「異物混入」も大声援の「551蓬莱」、なぜここまで愛されるのか? 地元密着を貫くことで、SNSでバズる「名物」になったその背景
話がそれてしまったが、どちらのブランドにせよ、地元に忠実であることが、成功につながっているのではないか。 地方で人気を博した商品が全国展開すると、ときたま「地元を捨てた」と表現されてしまうことがある。ちょっとでも「あわよくば」と、ヨソ行きの色気を見せてしまうと、すぐ気づかれるものだ。ひとたび地元軽視と取られてしまうと、イメージダウンは避けられず、後々まで尾を引いてしまう。 反対に「故郷に錦を飾る」という慣用句もある。各地で結果を残せば、ふるさとの誇りとして評価される。物理的に離れていても、心はその街に残っているからこそ、成功を収めたときに、周囲も喜んでくれるのだ。
出発点を忘れず、真面目に向き合うことが大切なのだろう……。今回の騒動を通じて、そんなことを「蓬莱」の豚まんに教わった気がした筆者であった。
城戸 譲 :ネットメディア研究家・コラムニスト・炎上ウォッチャー