60歳代後半「厚生年金の平均額は14万4322円」って本当?今どきシニアの労働意欲や就業率の実態
シニアの労働意欲や就業率の実態
内閣府「令和5年版高齢社会白書」によると、年代別の就業率は次の通りです。 ・60~64歳:73.0% ・65~69歳:50.8% ・70~74歳:33.5% ・75歳以上:11.0% 60歳代後半では、50.8%が就業を維持している状況となっています。 少し古い統計にはなりますが、独立行政法人労働政策研究・研修機構の「60代の雇用・生活調査」によると、65歳以降も働く意思があると答えた人は「ぜひ働きたい」「ほぼ決まっている」合計で56.1%となりました。 ・「採用してくれる職場があるなら、ぜひ働きたい」30.5% ・「すでに働くことが(ほぼ)決まっている」25.6% ・「まだ決めていない。わからない」27.2% ・「仕事はしたくない。仕事からは引退するつもり」7.0%など 健康維持や社会参加のために労働を続ける方もいますが、経済的に働かざるを得ないケースもあります。 老後について考えるときは、年金収入と合わせていつまで働くのかも検討しておきたいですね。
老後について考える
60歳代後半の年金平均額は14万4322円ですが、理想とする年金額は「20万円~29万円」が最多となりました。 一方で、「月額20万円以上」の年金を実際に受け取っている人は14.7%のみです。 60歳代後半でも過半数が働く現代において、プラスの動機から働き続ける方もいるでしょう。しかし、年金を補うために「本当はリタイアしたいのに働く」というケースもあります。 老後について考える時期に、早すぎるということはありません。どんな老後生活を送りたいかについて考え、正しく備えていきましょう。 まずは年金見込額を知るために、ねんきんネットやねんきん定期便をチェックする習慣からつけてみてはいかがでしょうか。
参考資料
・厚生労働省年金局「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」 ・日本年金機構「年金の繰下げ受給」 ・独立行政法人労働政策研究・研修機構「調査シリーズNo.19960代の雇用・生活調査」 ・日本年金機構「公的年金制度の種類と加入する制度」 ・日本労働組合総連合会「年金に関する調査2024」 ・内閣府「令和5年版高齢社会白書(全体版)第2節 高齢期の暮らしの動向(1) 1 就業・所得」
太田 彩子