60歳代後半「厚生年金の平均額は14万4322円」って本当?今どきシニアの労働意欲や就業率の実態
原則として65歳から受給開始となる「厚生年金」を、老後の収入の柱に考える人は多いでしょう。 ◆【年金額の一覧表】65歳~69歳の厚生年金は平均で14万4322円!みんなはいくらの年金を望んでいる? 最新の調査結果によると、60歳以上が希望する年金額は「20万円~29万円」が最多となりました。 一方で、65歳後半世帯の平均受給額は14万4322円です。老後は年金だけで十分暮らせるのでしょうか。 労働意欲や就業率の実態とともに見ていきます。 ※編集部注:外部配信先ではハイパーリンクや図表などの画像を全部閲覧できない場合があります。その際はLIMO内でご確認ください。
60歳以上は年金「20万円~29万円」を希望する人が最多
2024年5月14日に公開された日本労働組合総連合会「年金に関する調査2024」によると、希望の年金額は年代ごとに以下のとおりとなりました。 全体としては「10万円~19万円」が42.4%で最多となっており、次に「20万円~29万円」が30.0%と続きます。 しかし、60歳代以上の場合のみ「20万円~29万円」を希望する割合が多くなりました。 老後生活が現実味を帯びた方、また就労意欲が減少し、年金へ頼り始めた方などが、平均を押し上げていると考えられます。 しかし、実際に年金として「20万円~29万円」の収入を得ている人は多くありません。
そもそも年金には国民年金と厚生年金がある
公的年金には国民年金と厚生年金があり、そもそも国民年金にしか加入していない方は「年金月額20万円以上」を目指すことができません。 1階部分に位置する国民年金は、原則日本に住む20歳以上60歳未満の人が加入対象となっています。 保険料は一律で、40年間未納なく納めた場合、将来は満額(2024年度は6万8000円)が受け取れるというしくみです。 もし最大限に75歳まで繰下げたとしても、約12万5000円にしかできないため、国民年金の加入者は20万円以上を目指せないことになります。 2階部分である厚生年金に加入していると、上乗せで老齢厚生年金が受け取れるため、年金額は比較的手厚くなるでしょう。 ただし、それでも20万円以上という人は多くありません。年代別に年金額を確認しましょう。