野茂英雄 日本の殿堂入りでリベンジなるか?
メジャーの「ホールオブフェイム(野球殿堂)」に日本人として初めてノミネートされながら落選した野茂英雄氏が、17日に発表される日本の殿堂入りに選出されるかどうかが注目されている。 メジャーの殿堂では、“暗黙の条件”として投手ならば、通算300勝以上というものがあり、メジャーで123勝だった野茂は成績では足りないが、日米の扉を開けたパイオニアとしての評価をされるかどうかがポイントだった。だが、わずか6票に終わり、投票率が1.1%だったため、来年以降の記者によるノミネート資格を失った。 日本の殿堂入りに関しては、現役引退後、5年以上が対象者(満65歳以上の者や故人は5年経過は除外)で、200勝、2000本安打の達成選手については、名球界という別団体が存在しているため“暗黙の条件”はない。ただ、野茂は、今回、殿堂入りの資格を得て1年目。過去に資格を得て1年目で選ばれた例は、スタルヒンと王貞治しかなく、メジャーの殿堂入り以上に選出には難しいハードルがある。 それでも、野茂と同期のドラフト入団である元中日の与田剛氏は、資格取得の1年目からの殿堂入りすることに大きな期待を寄せている。 「野茂がアメリカへの架け橋を作った。すでに殿堂入りされているアイク生原さんら先人の方々の努力があった上に、野茂がドジャース入りを実現していなければ、イチローも松井も松坂もダルビッシュもなかった。今日、マー君で大騒ぎするようなこともなかっただろう。個性のあるトルネード投法を引っさげてアメリカ人を驚かせた。メジャー球宴で先発した投手は野茂以外にいない。そういうひとつの歴史を作った功績は評価されるべき。メジャーでは落選となったが、ぜひ日本の殿堂入りはしてもらいたいし選ばれるべき功績はある」 与田氏は1989年に野茂と同じ全日本メンバーとしてキューバと戦った。まだプロ入り前で、当時、メジャー挑戦など、とても想像もできないアマチュアの時代から「将来メジャーで投げたい」と夢を語っていたという。 「その幅広い思考に驚いた。ブルペンで一緒に並んで投げたときは、しばらく見とれたことを覚えている。あの独特の背面投げ投法の迫力に加えて、ストレートは、まるでミサイルみたいだった」