「青春18きっぷ」衝撃のルール変更でも「なくならなくてよかった」の声 鉄道ファンたちが見出す“新たなメリット”とは
JRグループが春・夏・冬の年3回発売している「青春18きっぷ」(以下、18きっぷ)について、今冬発売分からのルール変更が発表され、鉄道ファンを中心に大きな衝撃が広がっている。 【写真】「名松線に乗ってJR東海を完乗しました」 Aさんが実際に使った18きっぷ
従来ルールからの大きな変更点は、以下の通り。 ・利用日は期間内に5回(5日分) → 連続して5日 ・複数人での利用が可能 → 複数人利用は不可 ・利用は有人改札のみ → 自動改札利用が可能に ・「5日間用」に加えて「3日間用」を新たに発売 下の2つは“改正”だが、5日間連続でしか使えないのは社会人にはハードルが高く、グループ旅行が楽しめなくなったなど、多くの利用者にとっては“改悪”と受け止められている。実際、変更の発表とともにネットやSNSには不満の声が渦巻き、従来の制度に戻すよう求めるネット署名は3万件以上集まっている。 「18きっぷは鉄道ファンを中心に支持されてきましたが、現場の負担が大きい。18きっぷシーズンになると有人改札には人溜まりが発生し、イライラしてクレームを言う利用者が現れますし、ルールをよく理解せずに使ってトラブルになるケースも多いんです。 近年のJRグループの動きを見ると、ローカル線をどんどん整理する方向に誘導していますが、ローカル線ユーザーを増やす18きっぷは、その流れに“逆行”していることになる。邪推かもしれませんが、そう考えると今回の18きっぷの変更も辻褄が合います」(経済誌記者) しかし、ルール変更は決まってしまったこと。それならそれで何とか攻略法はないものか? 通算250日以上は18きっぷを使ってきた自営業のAさん(50代/男性)は、ルール変更を好意的に受け止めようと努めている。 「乗り鉄が趣味で、JR全路線の9割以上を乗り潰しましたが、18きっぷシーズンは在来線が混むんですよね。東海道線の大垣~米原、東北本線の黒磯~白河や小牛田~一関、上越本線の水上~越後湯沢、奥羽本線の福島~米沢といったボトルネック区間は、座れないどころかラッシュ並みのことさえあります。今回、18きっぷ利用のハードルがグンと上がったことで、少しは空くんじゃないかと。もっとも、これで利用者が減ってローカル線がなくなったら元も子もありませんが」