「胃のむかつきと吐き気との戦い」パラリンピックでもセーヌ川の水質悪化問題が浮上…トライアスロンと自転車ロードで2冠の豪州女性アスリートのパーカーが健康被害を告白
先のパリ五輪ではセーヌ川の水質問題が大きくクローズアップされた。運営サイドが連日水質をチェック。基準値をクリアした場合のみ実施されたが、カナダの男子代表のタイラー・ミスローチャックが10回も嘔吐。レース後には、体調不良を訴える選手が続出し、ベルギー女子代表のクレア・ミシェルは、ウイルス性感染症の下痢と嘔吐が続き、チームはセーヌ川の汚染水が選手に与える影響を考慮してその後の混合リレーを辞退。またその混合リレー後には、ポルトガルの男女2選手が胃腸感染症を発症したことが発表された。 東京五輪の金メダリストで、世界シリーズの総合優勝や世界新記録を樹立したこともあるノルウェースポーツ界のスターであるクリスティアン・ブルンメンフェルトは、帰国後、地元メディアに「運営サイドは水の状態を制御できなかった。ただのギャンブルだった。そんな場所でアスリートのためといって行うのは、ある意味、無礼なこと」と非難の声をあげた。 また米国五輪委員会の医療の最高責任者であるジョナサン・フィノフ博士は、同競技に出場した全選手の約10%の選手が胃腸炎を発症していたという衝撃データを発表している。 水質の悪化したセーヌ川は長年遊泳禁止だった。だが、パリ五輪を前にパリ市は、約14億ユーロ(約2209億円)もの巨額を投資して水質の改善に乗り出し、大規模な浄水場などを建設するなどした。パリ五輪前には、パリ市長のアンヌ・イダルゴが、セーヌ川を泳ぐデモンストレーションまでしたが、汚れた水は綺麗にはならなかった。来年には市民の遊泳が解禁される方向となっている。 2028年のロス五輪ではトライアスロン、マラソンスイムなどは西海岸の有名な遊泳場であるロングビーチで開催される予定となっていて健康被害の不安はない。
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