日本シリーズ連敗のヤクルトの逆襲は可能か?
ソフトバンクの連勝でスタートした日本シリーズは、明日、27日から神宮に舞台を移して第3戦から最大3試合が行われる。過去のデータから見ると、1、2戦連勝スタートしたチームの日本一確率は実に77パーセント。だが、逆から見れば、23パーセントの逆転の確率があるわけで、3連敗4連勝の大逆転は、西鉄、西武、巨人と過去に3度しかないが、2連敗からの逆転は、過去に5度。「江夏の21球」で有名となった1979年の広島対近鉄の日本シリーズで、古葉竹識監督率いる広島が球団初の日本一となったときも、連敗からの逆転勝利だった。 最近では、2011年にソフトバンクが中日に連敗スタートして逆転したケース、2000年の長嶋茂雄監督の巨人vs王貞治のダイエーという夢のような対決となった日本シリーズでも、本拠地の東京ドームで連敗スタートとなった巨人が、そこから4連勝で逆転の日本一に輝いている。 ではヤクルトに逆襲は可能なのだろうか? 来季から阪神の2軍監督に就任する評論家の掛布雅之氏は、「ヤクルトが圧倒的に不利だが、第3戦で、本来の形を取り戻せば、2勝2敗のタイにまで押し戻す可能性はなくはない」と見ている。 「ヤクルトは先発が2失点に抑えていたが、中継ぎで崩れた。DH制だったことで点を取らねばならないという焦りが打線に生まれた。第二戦の一回に先頭の上田が出塁したが、2番の川端の初球に盗塁させて失敗した。あのシーンが、その象徴。川端は三振がほとんどないバッターなのだからカウントを作ってから攻めてもよかった。 だが、DHを使わない本拠地の神宮でペースを取り戻し、先発予定の館山が2点以内に抑え、逆に先制点を奪えば、ヤクルトがレギュラーシーズンを制したパターンを取り戻す可能性がある。山田は、ここまで高めのゾーンに手を出してボールを打ち上げてしまっているが、ソフトバンクの先発予定の中田は、コントロールミスの危険性のあるピッチャー。ひとつ間違えば、山田に一発が出て乗っていく可能性もある。逆にソフトバンクは、柳田の状態は決してよくないし、ヤクルトのインサイドを徹底した配球が功を奏している。シリーズ男になりつつあるイ・デホもボール球に手を出すし、松田も外のボールの見極めができていない。調子がいいようで、実は、その裏腹に穴もある」 第3戦のソフトバンクの先発は中田、第4戦はスタンリッジが予想されている。交流戦での中田との対戦はなかったが、スタンリッジは、畠山の一発などで攻略している。山田も、25日のゲームでは、ようやく1本ヒットが出て盗塁も決めた。2試合でノーヒットのバレンティンの不振は深刻で、チームは、2試合で7安打しか打てていないが、武田、バンデンハークの出来との相関関係で考察すれば、自慢の打線が、まるっきり駄目というわけでもない。