日本シリーズ連敗のヤクルトの逆襲は可能か?
ソフトバンク、ヤクルトの両チームのOBである評論家の池田親興氏は、気持ちの持ち方が逆襲のポイントではないかと考える。 「シーズン90勝をしたチームが相手。2勝のアドバンテージがあったと考えて神宮から腰を落ち着け、チャレンジャーの気持ちを持ちなおすことが大事だと思う。絶対絶命であることは間違いないが、ラグビーで南アフリカを破った桜のジャージの精神でぶつかればいいのではないか。山田にしても調子は悪くないと見ているが、気負いが目立つ。研究されて高めのゾーンを振らされているのではなく、振ってしまっているというイメージだ。冷静に見極めていくことだろう。 不調のバレンティンに関しては、試合前の練習の段階からいい打球が打てていなかった。トレーニング不足で下半身が使えず、上半身だけのバッティングになっている。それでもスタメンから外すという選択はしない方がいい。そんな状態でも最小失点でバレンティンを打席に迎えるとプレッシャーはかかる。失投を誘う可能性もある。第3戦で先発が予想されている中田は、後半からCSと、工藤監督の信頼がアップしているピッチャーなのだが。 先発投手は先取点を失っているが、ゲームは作っている。しかし、ヤクルトの特徴であったはずの中継ぎで失点した。後手に回った印象が強い。もう、出し惜しみなどせずに、どんどんいいピッチャーを注ぎこみ最小失点に抑えることだろう。ホームランという飛び道具のあるチームなんだから、最小失点に抑えておけば、狭い神宮ならば、一発で試合の流れを呼び込める」 バレンティンをスタメンから外すかどうかの決断も真中監督は迫られるだろうが、池田氏は、外さずに浮上を待つべきだという。また掛布氏、池田氏の両氏共にレギュラーシーズンを制した中継ぎ陣を、ゲームの展開に関係なく投入して、最小失点に抑え込んでいくことも逆襲のキーポイントだと見ている。 工藤監督は、ヤフオクドームのお立ち台で、「神宮に応援に来て下さい」と、神宮での3戦で一気にケリをつけることを宣言した。ヤクルトのメンバーは、この言葉に発奮するのか、それとも……。