米メタが「食事クーポンの不正利用」で数十人を解雇して議論噴出
マーク・ザッカーバーグが率いるメタは先日、食事用のクーポンを不正利用した数十人の従業員を解雇したことで物議を醸している。同社は、残業を行う従業員や食堂のないオフィスにいる従業員のために昼食と夕食用に各25ドル(約3700円)、朝食用に20ドル(約3000円)のウーバーイーツやGrubhub(グラブハブ)のクーポンを支給しているが、一部の社員がこれを洗濯用洗剤やワイングラス、ニキビパッチなどの購入に充てていたことが判明したと英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)が報じた。 また、一部の社員は、このクーポンを自宅での食事に用いていたという。 この事件は、メタ社内の意思決定プロセスや従業員の福利厚生、そして進行中のコスト削減措置をめぐる対立を露呈させたと一部のメディアは報じ、この事件を「Grubgate(グラブゲート)」と呼んでいる。社員の反応はさまざまで、会社の厳しい措置に反発する声が上がる一方で、「彼らは規則を知っていたはずだ」と主張し、不正を行ったメンバーの解雇が当然だと主張する者も居る。 ■メタの「効率化の年」宣言との関係 今回の事件は、ザッカーバーグが昨年から「効率化の年」と呼ばれるポリシーで、約2万人の従業員を解雇するなどのコスト削減策を通じて利益率を大幅に回復させる中で発生した。 メタの広報担当者のデイブ・アーノルドは先週、ニュースサイトThe Vergeに対して、「当社は、社内のリソースを長期的な戦略目標に適合させるために、いくつかのチームの再編を行っている」と語っていた。この措置には、いくつかのチームを異なる場所に移動させたり、一部の従業員を異なる役割に移動させたりすることが含まれるという。 この新たなレイオフは、今年初めに同社のリアリティ・ラボ部門で実施された一連のレイオフに続くものだ。メタはまた、2022年11月には、パンデミック後の過度に楽観的な成長予測によって採用された1万1000人(全従業員の約13%)以上の従業員を解雇していた。 同年のタウンホールミーティングでザッカーバーグは、会社の厳しい財務状況を従業員に警告し、雇用を減速させ、コスト削減を実施する必要があることを強調した。メタは、新たな財務戦略の一環として、従業員に求めるパフォーマンスの基準を引き上げると述べていた。 ザッカーバーグは、さらに次のように述べていた。「あなた方の中には、自分がこの場所に居るべきではないと決断する人もいるかもしれないが、そのような選択を私は否定しない。実際問題として、この会社にはおそらく、多くの居るべきではない人たちがいる」
Jack Kelly