鷹木（左）に激しいキックを見舞うザック・セイバーＪｒ（撮影・坂部計介）

　「プロレス・新日本」（４日、エディオンアリーナ大阪） 　メインでＩＷＧＰ世界ヘビー級選手権試合が行われ、王者のザック・セイバーＪｒ．（３７）がＮＥＶＥＲ無差別級王者の鷹木信悟（４１）の挑戦を退けて２度目の防衛に成功した。 　試合後はこの日、元王者で前挑戦者のＳＡＮＡＤＡ（３６）を一騎打ちで破った本隊の海野翔太（２７）と、米ＡＥＷのリコシェ（３６）が続けて現れ、挑戦を要求。海野は来年の１・４東京ドーム大会、リコシェは１・５東京ドーム大会でのＩＷＧＰ挑戦が決定的になった。 　ザックは対鷹木の常とう手段である右腕殺しを仕掛け、中盤ではつり天井のように両足をロックするとストンピングで両膝を破壊し、鷹木に踏ん張りがきかない戦いを強いる展開を作った。 　２５分過ぎ、鷹木は必殺のラスト・オブ・ザ・ドラゴンを決めるが、そこまでのダメージが響いてカバーに入れず。ザックは鷹木が執念を込めたパンピングボンバーから再度のラスト・オブ・ザ・ドラゴンを着地すると、ジャーマンスープレックス、ＰＫからのザックドライバーで、粘る鷹木に引導を渡した。 　試合後、ザックが「次の挑戦者は誰でしょう？どうぞどうぞ、時間ないよ！」と日本語でアピールすると、海野が登場。このところブーイングが定番になっている海野にはこの日も大ブーイングが浴びせられたが、Ｇ１クライマックスの公式戦でザックを破っている海野は落ち着つき払って「ザックさん。アイ・ウォント・ビート・ユー・アゲイン。アイ・ニード・ＩＷＧＰワールド・ヘビーウエート・チャンピオン！アイ・ウォナ・チャレンジ・トゥ・ユー」と英語で挑戦を要求した。 　ザックは「英語全然知らない。日本語でお願い。いい？」とおどけて返したが、海野は「自分は挑戦者だから何も言わない。いつでもどこでも準備はできている。問題ない。ザックさんが決めてくれ」とザックの要求通り日本語でたたみかけ、ザックも「いつでもいいよ。戦いましょう」と受諾した。両雄は握手を交わし、海野は退場した。 　ここで、花道にスリーピースのスーツで決めたリコシェが電撃登場。スワントーン系の技でザックを急襲すると「俺が１・５レッスル・ダイナスティでＩＷＧＰ世界ヘビー級王座に挑戦する」と、１・５東京ドーム大会での挑戦を要求した。 　ここで海野が再びリングインしたがリコシェは逃げ、海野がデスライダーでザックをＫＯしてＩＷＧＰのベルトを手にしたところで、波乱続きの大阪劇場は閉幕した。 　バックステージでは、最初の礼儀正しさから打って変わってザックを襲った海野が「ザック、いつまでも下に見てんじゃねえぞ。何もかもぶち壊して全部くつがえしてやるからな」と、まず現状打破を宣言。 　続いてザックは「リコシェ、お帰りなさい。やりましょう。翔太、（日時と会場は）自分のチョイスじゃないね。いつでもいいよ。忙しいな。楽しみよ。翔太は面白い」と、海野に加えて、世界最高のプロレスラーの一人と認めるリコシェの挑戦も受諾。年頭の東京ドーム２連戦が風雲急を告げてきた。