現代の人はお尻を拭き過ぎている!? 専門家に聞く「正しいトイレの仕方」【便編】
理想のうんちを叶える“食事”とは?
食生活が便の状態に影響してくるのは何となくわかるだろう。じゃあ理想的な便がでるための食事には何が必要なの? 腸の調子を良くするためには、食物繊維の摂取が大きく関わってくるという。 食物繊維は不溶性食物繊維と水溶性食物繊維の2種類に分けられます。不溶性食物繊維は主にトウモロコシやキノコ、豆類などに多く含まれていて、水に溶けずに水分を吸収してふくらむため、便のカサを増やす効果があります。 一方、水溶性食物繊維は、海藻類や根菜、キウイなどに多く含まれていて、便をスムーズに体外へ排出できるようにサポートする、不溶性食物繊維とは別の働きをします。 そのため、2つの食物繊維をバランスよく摂ることがスルっとした排便を叶えるカギになります。残念ながら、現代人は食物繊維の摂取量が不足しており、特に水溶性食物繊維の量が足りていない方が多いのです。なので普段から、めかぶやもずくなど手軽に摂れる水溶性食物繊維を食事に加えるといいでしょう。
ラクにうんちを叶える姿勢は“考える人”のポーズ
排便の際に大切なのは、デリケートな肛門に負担をかけないことだと松島先生は言う。そのためにできることはある? 排便の時に気を付けて欲しいのは姿勢ですね。有名なのは、“考える人”のポーズを取ると排便がしやすいと言われています。 肛門のすぐ上の直腸は便が最後にたまる場所で、排便しないとき直腸は曲がっていて、排便するとき直腸は少し真っすぐになります。 背筋をピンと伸ばして便座に姿勢よく座っている状態は、直腸は逆に曲がった形をしており、そのままいきんでも便を出しずらい状態です。考える人のポーズのように、体を前かがみにすることで直腸が真っすぐになり、自然と軽いいきみでたまった便を出しやすくなるのです。
毎日うんちが出ない……でも焦らないで! 見直したい「便秘の定義」とは?
食事はしっかり気を付けているし、睡眠時間もたっぷりとっているのに便秘気味……という深刻な便秘を抱えている人も多いと思う。一体何が原因なの? 食事も気を付けて生活リズムも整っているのに便秘が解消されないという方も多くいらっしゃいます。ただ、便秘について一つ説明しておきたいのが、便秘は便が出ない“期間”が問題ではなく、便の“状態”が問題だということ。 いつも1、2週間に1度しか排便がなく便秘だと悩んでいる患者さんがいらっしゃった時に、便の状態を聞きました。しかし患者さんは排便する時にいきまず排便ができていて、便の状態もバナナ状だと言います。この方の場合は、便秘ではありません。 便は毎日したほうがいいと思っている方もいらっしゃいますが、 必ずしも毎日排便がある必要はありません。毎日出る方もいれば1、2週間後にスルっと出る方もいて、個人差があるもの。毎日出ないからといって不安になる必要はありません。それより便意を感じた時に、トイレに座って1~2分でバナナ状の便がスルっとでるかどうかが大事になのです。