仲間外れに直面、どうする…いじめ自殺起きた中学 生徒ら真剣討論
愛知県西尾市立東部中2年、大河内清輝さん(当時13歳)がいじめを苦に自殺してから30年となった27日、同校で「いじめについて考える集会」が開かれた。事件の翌年から毎年、大河内さんの命日の前後に、生徒たちが主体となって続けている集会で、いじめを巡って活発な意見が交わされた。 集会の内容を考え、進行役を務めたのは、生徒たちの自主組織「ハートコンタクト」のメンバーたち。この日は全生徒が学年ごとに分かれ、それぞれのテーマで議論した。このうち3年生約100人は、事前のアンケートで高校生活での人間関係に不安を抱いている生徒が多かったことを踏まえ、高校で「仲間外れ」に直面した時を想定して意見を出し合った。 自分が被害者となった場合の対応としては「中学時代の友人など別の人と関わった方がいい」との意見が多く出た。中には「相手に理由を聞いて、人間関係をつないでいくべきだ」という意見もあり、これに対し「それは難しい」と反対の声も上がった。 「自分が傍観する立場になった」という設定では、「自分ならいじめる側といじめられる側の間に明るい感じで介入する」と発言した生徒がいた。進行役が「自分もいじめの対象とされる恐れはないか」と問うと、別の生徒が「行動を起こさないと、何年か後に自分自身が苦しむことになる」と述べた。 ハートコンタクトは事件の翌年、いじめの根絶を目指して生徒有志が自主的に設立した。現在のメンバーは1~3年生67人。命日に合わせた集会の企画のほか、メンバーが月に数回集まっていじめなどについて情報交換し、困っている生徒に対応するなどの活動をしている。 「ハートコンタクト長」を務める3年の佐橋夢菜さん(14)は集会後、「たくさん意見が出て満足している。この組織があるだけで、学校では大きないじめが起きていない。(後輩たちには)この集会をみんなで考える時間にしてほしい」と話していた。【永海俊】