「ポイ捨て」に「意図しない流出」藤前干潟で漂着ごみの実態調査 種類別の把握が海洋ごみ対策の一歩に
調査では、斜めになっている護岸を降り、護岸の下でごみを採取。かごにごみを入れ、かごをロープなどで引っ張り上げ、護岸の上で採取したごみを分類します。
目立ったごみはペットボトル。護岸の下のあちらこちらに落ちており、どこから手をつけいいかわからないほど。中には土に埋まっているペットボトルもありました。
作業を始めて約10分。拾われたごみでかごはすぐいっぱいに。 岐阜から参加したボランティアの大学生: 「ごみが多いとは聞いていましたけど、こんなに多いのにはびっくり。正直拾いきれないですね」
プラスチックごみ以外に、細かな木も流れてついています。他にはこんなごみも。 岐阜から参加した小学生: 「ボールあったー! なんでこんな所にあるの?」
さらにごみ拾いをする護岸の下の足元にはきらきら光るものが。これは、近年問題となっている「マイクロプラスチック」。プラスチックごみの中でも、直径5ミリメートル以下の破片です。プラスチックが劣化して細かく砕けていて、海面を浮遊し、一部は海中や海底に沈んでいきます。
岐阜から参加した小学生: 「カニ見つけましたー! かわいい」 こんな大量のごみの中でも、懸命に生きている生物もいました。 今回の調査では、45リットルのごみ袋で換算すると、ペットボトル15袋、プラスチック製食品容器6袋、レジ袋は数枚、その他のごみはボール10個や流木などが採取されました。
「ペットボトルがめちゃくちゃ多い」プラごみを種類別で把握することで対策しやすくなる
今回の調査結果でどのようなことが分かるのか。調査や解析を行う八千代エンジニヤリングの吉田拓司さんに話を聞きました。 ―――河川のごみの調査によってわかることはどのようなことですか 「最終的にそれぞれのプラスチックの使用、廃棄、漏洩の流れが調べられます。あるプラスチック製品が作られて、どのくらい使用されて、適切に廃棄、リサイクルされ、どの程度が漏洩しているか、漏洩も含めてそれぞれの割合がわかることになるので、将来的にはプラスチックごとに(ごみを減らすには)どこの段階で対策を打つのが効果的なのかがわかる基礎情報になるんです」