■「裁判官は人の人生を握る『最後の砦』」と青木さん【質疑抜粋】

事件現場の様子　大阪・東住吉区　1995年

Q,これからも冤罪のために活動を続ける理由は？ 「自分が冤罪に巻き込まれたから。私の場合は恵まれて、初めから弁護士もずっと一緒で戦って、原審が負けても再審では一回で勝てた。一生懸命立証していけば、私は弁護士が一生懸命やれば勝てる思うんですよ。自分が裁判で散々しんどい目にあったから関わらない人もいるけど、私の場合は両親も亡くなって1人なので。面会に行っても励ますだけじゃなく私も励まされて元気になって帰ってくる。私も娘を亡くして、何かなかったら生きていけないので。冤罪のこともすごく憎いし、この世から本当に冤罪がなくなってほしいという気持ちもあって、自分の命ある限り、その人たちの力になれたらいいと思うので、今後も続けていきます」 Q,裁判所に思うことは？ 「どれだけの数の裁判官にあたってきたかわからないけれど、ほとんど悪かったですね、悪いから有罪になったんだけど。でも、その中でいい裁判官もいた。原審で検察が私たちにとって良い証拠は、いまでも隠されてるものがまだいっぱいある。裁判官も検察が隠している証拠を見られなかったというのもあるけれど、法廷で被告人尋問を聞いたときに、真剣に向き合って「自分は違うんだ」ということに耳を傾けない。検察側の一方的な悪い証拠だけで決めつける有罪ありきの判決が多いですよ」 「そういう裁判官は何のために裁判官になったのかなと思うし、『疑わしきは被告人の利益に』、これは証拠もないのにおかしいなと思ったら、勇気をもって無罪判決を原審で書くべきだと思うんですよ。それをできない裁判官の組織があると思うんですよ。どこでも組織はあるから、警察も中には、私が知り合っていない人ですごくいい人もいるかもしれない。でも、組織で出世を考えたときにつぶされていくから、自分の思い通りのことができないという部分では気の毒だと思うので、私はいっぺん皆さん全員辞めてくださいっていつも言うんですよ」 「学んだままのきれいな心でみんなが関わったら、正しい判決が出る。間違って、有罪の人を無罪と言って社会に出しても、そういう人は必ずまた罪を犯しますよ。そうすれば今度は間違わないで有罪になるんだし、それよりも間違った人を入れてしまって、その人たちが苦しむ方がおかしい。それを私はわかってほしい、裁判所には。裁判官は人の人生握っているわけですよ」