中国株は景気懸念から下落 ~アジア・マーケット動向の振り返り【解説:三井住友DSアセットマネジメント】
中国<金融市場動向>
⇒株式はもみ合い、人民元は上昇、金利はもみ合いながら低下 【株式市場】 ◆中国景気懸念から下落 中国の4-6月期GDP成長率や、6月の小売売上高が市場の事前予想を下回ったことなどから、中国景気への懸念が高まった。中国人民銀行(中央銀行)が最優遇貸出金利を引き下げたことなどが好感される局面があったものの、3中全会で経済政策目標の達成に向けた行動計画の詳細が示されず、政策期待が後退したことなども下押し要因となった。投資戦略においては、引き続き構造的な成長分野の有力企業、政策のサポートを得ている企業、国際競争力のある企業、増配が期待される企業に着目し、ツーリズムや高齢化関連、環境関連や工場自動化などが長期目線では有望視できそうだ。 【為替・債券(国債)市場】 ◆人民元は上昇 米ドル下落を受けて人民銀行は7月下旬から対米ドル基準レートを徐々に元高方向に設定し、これに合わせて対米ドル市場レートも徐々に上昇している。米国利下げ観測が高まる状況では米ドルは下落しやすいため、人民元の対米ドルレートは上昇しやすい。一方、日銀による追加利上げで円の対米ドルレートは7月末以降、急上昇したため、人民元の対円レートは急落したとみる。円ショートポジションの解消に伴う円高と米国景気下振れ懸念による米ドル安が同時に進行した。人民元は対円では下げ止まったように見えるが、依然として下落リスクがありそうだ。 ◆債券利回りはもみ合いながら低下する展開 中国では、景気鈍化見通しに変化はなく、人民銀行が追加利下げを実施したことや、党重要会議では具体的な景気支援策が打ち出されなかったことなどから、金利は低下。目先は、将来的に想定される人民銀行による市場での国債売却の影響が意識される一方、中国経済の回復の鈍さに変化はなく、追加緩和への期待が維持される展開は継続すると見込み、中国国債利回りはもみ合いながら低下する展開を予想する。
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