「素手素足で岸壁にアタックするような硬派で剥き出しの手ごたえは、ほかの車では得られない」by 高平高輝 これがケータハム・セブン340Rに乗った自動車評論家のホンネだ!!
重量わずか540kgは驚愕ものだ!
今年もやりました「エンジン・ガイシャ大試乗会」。2024年、大磯大駐車場に集めた注目の輸入車36台にモータージャーナリスト36人が試乗! 2024年1月の東京オートサロンで日本初公開となったケータハム・セブン340に乗った今尾直樹さん、河村康彦さん、高平高輝さんのホンネやいかに? 【写真10枚】最もプリミティブな市販スポーツカー、ケータハム・セブン340Rの詳しい写真はこちら ◆「エンスーの聖地、英国のスポーツカー!」今尾直樹 もうすぐ帰国してケータハム本社で仕事をするというジャスティン・ガーディナーさんから試乗前にレクチャーを受ける。長らく同社の日本の代理店でマーケティングその他を担当し、軽規格のセブンを発案したひとだ。 セブン340Rは2022年発表の中堅モデルで、最高出力172psの2リッターフォード・デュラテック・エンジンを搭載する。デュラテックは生産終了前に1800基を購入、マツダ・ロードスターのNA&NB用5段MTと組み合わせる。 車重540kgで1トンあたり340ps、というのが車名の由来だ。2021年に日本の企業の傘下に入ったケータハム社は工場の移転によって年産能力を500台から750台に引き上げ、現在2年の納期を短縮するという。 数年前から「ワン・マン、ワン・カー」制を導入したことで生産品質も向上。新しい340Rもよさげに見える。 運転してみれば、まさしくセブン! 場内のみの試乗ゆえ、3速に一瞬入っただけだけれど、加速の軽やかさと野太いサウンドに、呵呵痛快! エンスーの聖地、英国のスポーツカーをニッポンが元気にしている。これまた呵呵也!! ◆「軽さこそ正義の精神は変わらず」河村康彦 1957年生まれのロータス・セブンが名称改めケーターハム・セブンとして生き続ける現在も、そこに宿る「軽さこそ正義」の精神はもちろん変わらず。 発売されたばかりの“最新モデル”セブン340Rは、日本で販売されるもう1つのバリエーションである軽規格のセブン170が達成する440kgというデータにはさすがに負けるものの、それでも今や1トンを超える軽自動車も珍しくない中にあって乾燥重量わずかに540kgというのはやはり驚愕ものだ。 コンパクトさはもとよりパワー・ステアリング、ブレーキ・ブースターやエアコンも無し、パワーウインドウどころかドアだって無し……といった“ないないづくし”による成果の賜物であるのは確かなれど、それゆえにドライビングの原点というものを味わわせてくれるのがこのモデルで最大の見どころ。 “重ステ”だしブレーキもきちんと踏まないと効かずに焦るけれど、ドライビングと真剣に向き合う楽しさはまた格別! ナンバー取得前ゆえ広い駐車場内でスラロームに勤しんでいたら目が廻っちゃった! ◆「すごいぞケータハム!」高平高輝 クルマ好きならどうしても気になるのが、いわゆる“セブン”ファミリーである。その最新作がこれまでの270に代わる340で、SとRの2種類があり、よりハードコアでサーキット志向の硬派が340Rである。 これまでの1.6リッター4気筒に代えて、172psと17.7kgmを生み出すフォード・デュラテック2リッター4気筒を搭載。Rはリア・スタビ付きスポーツ・サスやLSD、15インチのホイール、カーボンのダッシュボードなどを装備。 時節柄パワートレインの調達には苦心しているらしいが、十分な数を確保しているという。340という数字は500kgの車重に170ps(正確には540kgと172ps)エンジンという、1t当たりの馬力を示すことは従来通り。 相変わらず素手素足で岸壁にアタックするような硬派で剥き出しの手ごたえは、ほかの車では得られない。 薄っぺらいバケット・シートにシート・ヒーターが備わっていることは嬉しい発見だった。こういうのを胸張って作り続けてくれているだけで、それをわざわざ選ぶエンスーがいるというだけで感激です。そんないっぽうでプロジェクトVなんて、すごいぞケータハム! 写真=茂呂幸正 (ENGINE2024年4月号)
ENGINE編集部
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