会話できる「多言語AIコンシェルジュ」誕生 キャラクターのアバター化にも対応
多言語コミュニケーションツールに関わるサービスを手掛けるKotozna(東京都港区)は、多言語対応の生成AIデジタルコンシェルジュ「Kotozna ConcierGAI」(コトツナコンシェルジーエーアイ)の提供を開始した。テキストベースのコミュニケーションを前提としていた従来のサービスに音声入出力機能を追加。企業や自治体などの独自キャラクターのアバター化にも対応する。インバウンド対応が必要な商業施設のサイネージ案内板や、企業のカスタマーサポートなどオンライン窓口での導入を目指す。 【写真を見る】アバターサービスのイメージ
サイネージ案内板、アバター、カスタマーサポートなどで活用 仕組みは?
Kotozna ConcierGAIは、米OpenAI社のChatGPTをベースに、Kotozna独自の技術で各事業者固有のデータベースを学習させ、多言語チャットボットなどを構築できるサービス。生成AIの課題となっている誤回答や不適切な回答を回避しつつ、企業固有の情報を正確に伝える・答えられることが強みだ。旧製品の「Kotozna laMondo」は、すでに大阪市の観光案内でも導入されている。 最大の特徴は、音声ベースでの入出力機能が実装され、企業・自治体などの独自キャラクターのアバター化にも対応している点だ。キャラクターごとの話し方や口癖、受け答えの特徴を学習させられるため、ゆるキャラやバーチャルYouTubeを起用した企業や自治体での活用も期待される。 商業施設のサイネージ案内板にも活用可能だ。キーボードなどでのテキスト入力は不要となり、商業施設やレジャー施設、交通機関のサイネージ案内板では、多言語で行き先を案内するという。 カスタマーサポートなどのオンライン窓口にも活用できる。人間のような多言語デジタルコンシェルジュによって24時間、365日カスタマーサポートに対応することが可能だ。 アバター機能の初年度の導入目標は、2025年12月までに100件を目指しているという。同社がこれまで強みとしていた観光・宿泊といった分野に加え、介護・物流業界での社内教育、人材採用の対応といった多様な業界での導入を目指す。 日本政府観光局の調査では、歴史的な円安を背景に、2024年1~6月の訪日外国人数および消費額が、コロナ禍前を上回る過去最多ペースで増加した。近年は地方自治体側で積極的な情報発信やツアーを企画する「着地型観光」が活況を呈している一方で、オーバーツーリズムといった課題も生まれている。 Kotoznaの後藤玄利代表は「大阪万博など、継続的に訪日外国人の増加が見込まれる日本の大型商業施設や観光案内所、宿泊施設での需要が見込まれる。これまで当社製品を導入いただいている観光、宿泊業にとどまらず、接客業やビジネスサポート領域においても活用が期待される」とコメントした。
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