世界一の保険大国・日本での新たな選択肢…本格的に拡大しつつある「保険買取りサービス」とは?【FPが解説】
保険買取りサービスのデメリット
保険買取りサービスのデメリットは以下のものが考えられます。 1. すべての保険が買い取れるわけではない この保険買取りサービスは、種類によって買い取れない保険もあります。保険金にレバレッジを効かせられない年金保険や医療保険などは買取りが出来ません。そのためすべての人に保険買取りサービスを提供できるわけではありません。 契約日から2年以上経過していない契約は買い取れませんし、買い取る場合は家族や保険金受け取りの同意がないと買い取れないことも覚えておきましょう。 2. 買取り金額の相場が分からない 日本での保険買取りサービスはまだ始まったばかりで、競合他社が少ないです。そのため買取り金額の相場が分からず、顧客側が損をしてしまう可能性も少なからずあるといえるでしょう。
アメリカにおける保険買取りサービスの現状と歴史
1980年代にエイズが大流行した時に、患者の高額な治療費や生活費の足しにするために、生命保険を第三者に売却し、保険金の一部を前払いで受け取ることができる“ヴィアティカル・セトルメント(Viatical Settlement)が始まりました。当時、エイズは治療法がなく、患者は余命が短いと予測されていたため、この制度は末期患者の経済的負担を軽減するための手段として大いに活用されました。 1990年代になると、ヴィアティカル・セトルメント(Viatical Settlement)に限らず、末期患者でなくても保険契約を売却できる「ライフ・セトルメント(Life Settlement)」という形態が登場しました。これにより保険買取りサービスは格段に広がりました。 2000年代に入ると、ライフ・セトルメントの市場は拡大しましたが、一方で詐欺や不正取引も増加しました。これに伴い、州ごとの規制が強化され、生命保険買取り業者に対して、厳しい基準が設けられました。これにより、業者の透明性や契約者保護(ライセンス制度の整備、売却条件や手数料の情報提供の義務付けなど)が強化され、消費者が安全にサービスを利用できる環境が整えられました。 現在アメリカにおける、ライフ・セトルメント市場は数億ドル規模に成長していて、多くの高齢者が退職後の資金確保や、経済的な不確実性に備えるために、このサービスを利用しています。
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