佐渡金山、世界遺産登録に向け「追加情報の提出」求められる
日本政府が世界文化遺産に推薦していた「佐渡島(さど)の金山」(新潟県)について、世界遺産への登録の可否を調査する諮問機関「国際記念物遺跡会議」(イコモス、本部・パリ)は6日、追加情報の提出を求める「情報照会」と国連教育科学文化機関(ユネスコ)に勧告した。政府は7月にインド・ニューデリーで開かれる第46回ユネスコ世界遺産委員会での登録の決議を目指して対応する方針。 【写真特集】日本の世界遺産 情報照会は4段階のうち上から2番目の評価で、これまで日本政府が推薦した候補では初めての勧告。追加で情報の提出を受けた上で次回以降の世界遺産委で再度審査するが、昨年に情報照会とされた他国の6件は全て昨年の世界遺産委で登録が認められている。 佐渡島の金山は「西三川(にしみかわ)砂金山」「相川鶴子(あいかわつるし)金銀山」の2鉱山で構成される。16世紀ごろの大航海時代を境に欧州などで機械化が進む中、19世紀半ばまで手作業による採掘が続いた。政府は坑道や排水路、鉱山集落など生産技術・体制の詳細を示す遺構が良好な状態で保存されている点をアピールしていた。 登録されれば、国内では2021年の「北海道・北東北の縄文遺跡群」以来で21件目。世界自然遺産も含めると26件となる。【西本紗保美】