元巨人の“神の足”鈴木尚広氏が2月の東京マラソンに挑戦!
昨季限りで引退した巨人の代走のスペシャリスト、鈴木尚広氏(38)が2月26日に開催される東京マラソンに出場を予定していることが9日、明らかになった。将来、指導者になるために見聞を広げ知識を吸収するために、野球の枠のとらわれず、あらゆる分野へのチャレンジを考えている鈴木氏が、まず最初の目標に掲げたのが東京マラソンへの出場だった。 「これからはやりたいことは自分で決めることができます。まず東京マラソンに挑戦します。目標タイム? いえタイムとかじゃなく、完走しようというのが目標です。とにかく野球しか知りません。巨人時代にできなかったことに挑戦してみたいのです。そういう経験の中で、良くも悪くも何かを感じることができればいいんです。東京マラソンも新鮮な世界ですから、そこから自分の世界観が広がっていけば面白いじゃないですか」 巨人時代の15年間で通算228盗塁を記録。盗塁成功率の.829は、通算200盗塁以上の選手では歴代ナンバーワン。しかも、代走で成功させた132盗塁は日本記録という足のスペシャリストではあったが、長距離のマラソンとなると初経験。現役時代はオフに中央大の陸上部に入門し、塁間の走力だけでなく、シーズンを通じた筋持久力を意識して10キロ走などを練習に取り入れるなどしてきたためスタミナも十分。 また徹底した準備にこだわり、午前5時に起床、試合前の7時間前には球場入りをして、体を温めストレッチ、体幹トレーニングなどを欠かさず、38歳にして30メートル走のタイムがアップするなど、引退は決意したが肉体面での衰えはまったく感じさせず、体脂肪10パーセント前後の精密機械のような肉体を保持してきた。 引退後は、ほとんど体を動かすことがなく、一日一食の生活を続けているうちに体重がさらに落ちてきたというが、年明けから東京マラソンに向けて始動している。 「現役時代は、無駄な筋肉はいらない、動ける筋肉があればいい、という考え方でした。引退してからは、動いていないので食べる必要がありません。食べたいとも思わないので、夕方に食べるくらいの一日一食の生活を続けていたら痩せてきました。でも今は一日二食。年明けからもう一度、体を作り始めています」 完走を目標に掲げたが、3時間を切るのか。どれくらいのタイムで初マラソンを走るのか興味深い。 将来、指導者を目指す鈴木氏には、ひとつのポリシーがある。 それは「もし、自分が現場に指導者として戻るなら、選手に実際に手本を見せてあげないといけないと思うんです。そこでボテっとした体で動けなかったら、選手もイメージがわかないでしょう」というもの。だからストイックな生活は続くし、東京マラソンなのである。