「入団時は1年でクビになるとも思った」元日本代表・岡崎慎司の恩師が明かす「19年間やれた理由」
2月、岡崎慎司は今季限りでの現役引退を発表した。’05年に滝川二高から清水エスパルスに入団、’11年1月から13シーズンも欧州クラブで活躍。ドイツのマインツに在籍した13/14シーズンは欧州主要リーグでの日本人最多となる15得点を記録。日本代表としても119試合出場は歴代5位、50得点は同3位の数字を残した。 サッカー日本代表・伊東純也「性加害報道」で“攻守交代”か…告発女性側に生じた「相次ぐ誤算」 清水エスパルス入団時から岡崎を指導してきた元バルセロナ五輪100mで出場した杉本龍勇氏が単独インタビューに応じた。 ◆「もう俺これ以上上手くなれないな。だからやめます」 岡崎の引退発表時、特に連絡が来るわけでもなければ、杉本氏から労いの電話を入れたわけでもないという。 「引退発表の時は何も連絡しなかったんですよ。今シーズン終わるまでは選手でいるわけじゃないですか。SNSにはいろんな人が『おかちゃんありがとう』『お疲れさん』とねぎらうコメントが多かったですが、僕は『いや、まだシーズン残ってるから』と思ってたんで。今、(岡崎の)ヒザの状態は芳しくないですけど、選手である以上はちゃんと試合に戦力として関わって終わってほしいなと思っているので、まだねぎらうタイミングではないと思っていました。発表から2週間くらいかな、電話がかかってきて話をしました。基本的にはこれからの話ですね。選手ではなくなるけれど、(今後も)絡んでいきましょうと」 とはいえ、昨年からすでに岡崎は引退について考え、杉本氏との会話の中でも話題に上がっていたという。 「引退自体は去年の10月、11月くらいに目処が立っていたようでした。その頃も『引退、どうしましょう』じゃなくて『もうそろそろ引退しようと思います』という形でした。僕的には『そうなのか』と少し意外に思いました。というのも、最後の1年は日本でやるかなと思っていたのもありますし、ケガをしているヒザの問題もあってあまりプレーしていないので、(クラブを変えてでも)プレーをしたい気持ちが強いのではないか、と思っていたので」 昨年末には2人の間では進退を決めるような決定的な会話が交わされていた。 「(昨年)12月にシントトロイデンの試合を見に行ったのですけど、ちょうどその日岡崎が20分くらい出場していて(12月16日モレンベーク戦)。チームのレベルがどうであれ、彼の動き続けるスタイルはプレミアリーグ時代と変わらなかったんです。でもその時に『もう俺これ以上うまくなれないな。だからやめます』っていう話をしていて。彼の中では、根本的に上手くなりたい、成長したいという感覚が常にあって、でももう維持はできてもこれ以上はないというところに来ちゃったようですね」