夫とともに「ボディビル」 ビキニ優勝の28歳が披露した“胴短腰高”抜群プロポーション
「ステージから観客席で応援する夫の姿が見えて、その笑顔が本当に輝いていて。支えてくれる人がいる幸せを噛み締めながらの最高のステージでした」 【写真】岩崎有希選手が披露した締まった腹筋&バックポーズ 短胴腰高の抜群のプロポーションに鍛え上げた美しい筋肉をまとい、圧倒的なオーラで2024年神奈川オープンビキニ160cm以下級優勝の座を射止めた岩崎有紀(いわさき・ゆき/28)選手。出場団体を変えての初挑戦となった大会。そこには、大きく変革を加えたボディメイクと、それを支えた夫婦の絆があった。
「JBBF初出場ということで不安もあったなか、良い結果をいただけて嬉しいです。優勝という評価を得られたのは、『上半身に対しての下半身の弱さ』の克服に力を注いだことが功を奏したと思います。元々、ハードな重量で週に2度脚の日をつくるなどハイボリュームなトレーニングを行ってきたので、より高みを目指すために選択したのは“頻度を上げるのではなく質を高める”ということでした。私の場合は、ピラティスを取り入れたことが大きく肉体が変化した要因になりました」 岩崎選手は骨盤が狭くお尻の広がりを出すのが難しいだけではなく、長年の腰痛に苦しんでいた。 「お尻の成長が遅い理由として、殿部への負荷が腰に抜けやすいこと、反り腰であること、腹圧が上手くかけられないことなど課題はたくさんありました。1年半前にピラティスを導入したところ1カ月で腰の痛みがなくなり、3カ月で筋肥大の速度に大きな差が見えるようになりました。これは、背骨のひとつひとつを動かす意識ができるようになり苦手だった屈曲動作がスムーズになったことや骨盤の位置が正されたことが大きいです」 また、ピラティスの導入は岩崎選手の持ち味である強い背中にもさらに進化をもたらしたという。 「今年のオフは背中の日を月に1、2回と大きくトレーニング頻度を減らしたにも関わらず成長していると評価を受けたのは、胸椎上部の進展が出せるようになり、大円筋に対してやや緩めであった広背筋により効かせられるようになったこて広がりが出せたのが理由ではないかと思います」 こうした自身の経験と、トレーニング・ピラティストレーナーとして指導をする上でも、運動経験がなくトレーニングを始めた人にありがちな現象に“アウターマッスルばかりが強くなってインナーマッスルが働いていない”というものがあるのだという。 「そうすると、可動域が狭くなる、対象筋に上手くアプローチできないといった問題が出やすいです。弱点の少ない、また、強みをさらに強められるバランスのよいボディメイクをしていく上で、まずは週1回からでも、できれば筋トレと半々くらいでピラティスのようなインナーマッスルに目を向けた知識・トレーニングを取り入れることの重要性を感じています」 理論習得と実践を繰り返し、熱心にボディメイクに取り組む岩崎選手を支えるのは、夫の存在だという。 「夫もボディビルで競技をしており、非常に多くの学びをもらっています。競技優先の生活を成り立たせるために家事を助け合うこと、減量中の食事を一緒に分かち合えること、ポージングをお互いに評価しあうことなどの実利的なことはもちろん、相手の成果を自分のこと以上に喜び合える一番のファンが常に隣にいてくれるというのはとても心強いです」 大会でもお互いに最も大きな歓声を掛け合う、仲睦まじい姿がみられた。
「夫は常に初心を忘れず努力をし続けられる人で、その姿が自分も頑張らないとという一番のモチベーションになっているかもしれません。今期は次戦の東京選手権でも実績を残し、来年はオールジャパンに出場するのが目標ですが、自身でも力を尽くすとともに、夫婦でもこれからもお互いに支え合って頑張っていきたいです」
取材:にしかわ花