スケボー四十住と開の金銀フィニッシュと敗者を励ます友情シーンに世界が感動「日本の10代が圧倒的な強さを見せている」
東京五輪の新競技スケートボードの女子パークの予選、決勝が4日、有明アーバンスポーツパークで行われ、19歳の四十住さくら(ベンヌ)が60.09の高得点で金メダルを獲得し、12歳の開心那(WHYDAH GROUP)が59.04で銀メダルと続き、日本人のワンツーフィニッシュとなった。また銅メダルは日本人を母に持つ英国の13歳のスカイ・ブラウンで、海外メディアは日本勢の圧倒的な強さと、10代の選手が表彰台を独占し、互いに励まし合う姿を「素晴らしいスポーツマンシップ」と称えた。
「メダリスト3人は楽しそうに腕を組んで歩いた」
予選を4位で通過した四十住が圧巻の演技を見せる。パークは、窪地を組み合わせた複雑なコースを45秒間、様々なトリックを披露しながら自由に3本滑り、そのうち最も高かった得点を競う採点競技だが、四十住は、決勝の1本目の滑走で、空中で横1回転半をする大技「540」を2連続で成功させ60.09を叩き出してトップに躍り出た。予選では封印していた秘密兵器だった。 夏季五輪で日本人では史上最年少出場となった開心那も2本目にノーミスの演技。コースの上部をデッキの先で滑走する「ノーズグラインド」が冴え、59.04をマークし2位につけ、そのまま日本人による金、銀独占となった。四十住は「凄く嬉しい。夢で滑って金メダルを取った感じです」と感激を言葉にした。 予選を1位で通過していた15歳の岡本碧優は転倒などのミスが続き、ラストの3本目でも大技に挑戦して転倒。悔し涙にくれると各国の選手が駆け寄りハグして慰め、みんなで抱え上げるシーンがあった。得点を競う競技ではあるが、ライバルが高得点を出そうが失敗しようが、国境を越え、時には演技を称え励まし健闘を称えあう「楽しく競う」スケボー文化を体現する姿が視聴者の共感を呼んだ。 先に行われたストリートでは堀米雄斗と13歳の西矢椛が男女の金メダルを独占。止まらぬ日本勢の躍進は、海外に波紋を広げた。 米公共ラジオ局NPR電子版は「東京五輪のスケートボード競技では、日本の若い選手たちが圧倒的な強さを見せている。今大会で新種目となった競技で、ここまで3つの金メダルを独占。今回の優勝者は四十住だ」と日本勢の快挙を伝えた。 そして「3人のメダリストは、『良き友人になった』と言い、『競技中も楽しかった』と言っている。四十住は『リラックスしたフレンドリーな雰囲気が競技を楽しくしてくれた』と語った。試合終了後、3人はハグをし、腕を組んで一緒に歩き、記者団と向かい合った」と、スポーツマンシップに溢れた新しい競技スタイルを称えた。