東京海上日動、代理店社員に働きかけ4.2万件の情報入手 出向社員の情報漏えい1.9万件も発覚
東京海上日動火災保険と日本生命グループの大手保険代理店「ライフプラザパートナーズ」(LPP、山根隆雄社長、東京都新宿区)は8月28日、東京海上日動の社員がLPPの社員に働きかけて、競合他社の保険契約情報約4.2万件を入手していたと発表した。機密性の高い電子サービスを利用して入手していた。金銭的なやりとりがあったかどうかについて東京海上日動は「確認されていない」としている。LPPの社員はすでに退社している。大手損保の一連の情報漏えい問題で、代理店社員に直接働きかけて漏えいさせたケースの発覚は初めて。 これとは別に、LPPに出向していた東京海上日動の社員3人が、競合他社の保険契約情報約1.9万件を、母体の東京海上日動に漏えいしていた。2つの案件で合計約6.1万件の情報漏えいがあった。東京海上日動は「現時点で組織的な指示があったかどうかは確認されていない」としている。また、情報漏えいの目的は「シェア確認や自社の立ち位置の把握のためだった」という。 情報漏えいの期間は2018年11月から22年12月までの約4年間。保険契約情報の中には自動車保険も含まれている。東京海上日動からLPPには11年から現在まで延べ7人が出向しており、現在も続いている。 損保大手4社の情報漏洩は24年5月以降、五月雨式に表面化している。事態を重く見た金融庁は4社に対して8月30日を期限とした報告徴求命令を出している。