「門松カード」のルーツは? 戦後の質素な新生活 林産収入増へ資源保護 本紙に見る2つの記録/兵庫・丹波市
丹波市農林振興課によると、門松カードの印刷費用は数万円だが、各戸に2枚ずつ勘定して市職員が仕分けし、自治会に配布し、自治会で数え直す事務上の手間の大きさも見直しの理由という。近年、ダウンロード配布する自治体が増えている。隣接する丹波篠山市は今年も3万5000枚を印刷、各戸配布した。 門松カードは、「緑の羽根募金」を原資に、自治体(千葉県富里市など)、都市緑化協会(京都府亀岡市)などが配る所と、新生活運動協議会が2枚1組100円で販売し、収益を食育活動などに充てる長崎県のように、財源にも複数の流れがある。デザインが毎年変わる所もある。 ◇ ◇ ◇ 丹波市は「日本三大若松産地」だが、産地の同市山南町坂尻で栽培が本格化するのは「門松自粛」がやかましく言われた少し後。昭和30年代後半。 生産者によると、正月用は切り花がほとんどだが、ごく少量、生け花用より細い根付き松の注文が市場から入る。都市部で門松や室内飾りに使われる。松に水引きを巻くシンプルなもの。門松が興った平安時代は松だけだった。京都市内の社寺などでは「根引松」として正月に飾られる。