熊本~延岡の「最短直結ルート」ついに全通近づく!?「九州中央道」宮崎最後の“未事業化区間“平底~蔵田が概略ルート検討開始へ 95kmの「壮大な計画」のスゴさとは
熊本~延岡を直結
熊本~延岡をつなぐ高規格道路「九州中央道」にわずかに残る「ルート未確定区間」で、いよいよ事業化プロセスが本格化することとなりました。 完成すれば一体どう便利になるのでしょうか。また話はどこまで進んでいるのでしょうか。 【画像】超便利!? これが壮大な「九州中央道」計画の全貌です(27枚)
九州中央道は、九州道の嘉島JCTから分岐して、内陸部の山都町や高千穂町を経由し、東九州道の延岡JCTへ接続する約95kmの高規格道路です。 延岡市は人口11万人を抱える、宮崎県北部の中心都市です。宮崎市から北へ80km離れていて、周囲の都市圏から隔絶された立地です。熊本県へつなぐ国道218号はクネクネの生活道路で、物流でも観光輸送の面でも現実的ではなく、熊本県とはほぼ断絶状態です。 かつて国鉄がここをつなぐべく、熊本県側は「高森線」、宮崎県側は「高千穂線」を開業させましたが、結局つながることはなく、どちらも第三セクターへ移管したのち、高千穂線は廃止されています。 そこで九州の新たな東西軸の道路ネットワークとなるべく整備されているのが、九州中央道です。 全通すれば、熊本市~延岡市の所要時間は、現道による171分から、わずか117分に。約50分もの短縮効果が見込まれています。 毎年のように新工区の事業化、あるいは開通がつづき、今やほぼ全線が事業化済み。熊本県側は山都通潤橋ICまでの23kmが開通し、宮崎県側も蔵田までの13.1kmと、日之影町内の5.1kmが部分開通しています。残りの県境周辺も「矢部清和道路」「蘇陽五ヶ瀬道路」「五ヶ瀬高千穂道路」の3工区が事業化して動き出しています。 そして、最後の最後まで事業化すらまだなのが2か所。熊本県側は県境に近い「清和~蘇陽」で、宮崎県側は開通済み2工区に挟まれた「平底~蔵田」です。 この平底~蔵田が、いよいよ今回、事業化プロセスの第一歩を踏み出しはじめました。15km以上の未事業化区間が、いよいよ片付いていこうとしています。 具体的には、概略ルートを決定する「計画段階評価」です。一般的に地域アンケートが2回行われ、概略ルート案を3案程度に絞ったあと、最終案を確定します。そのあとは都市計画決定と環境アセスメントの手続きが進められ、それが終わればいよいよ事業化を待つ段階となります。 昨年4月の年度計画に「計画段階評価をはじめていきます」宣言がなされ、延岡市長も「全線開通に近づく大きな一歩となることから、大変喜ばしく思っております」とコメントするほどの、大きな前進。2024年度も残りわずかとなるなか、いよいよ実際に動きが現れてきました。 12月23日に最初の委員会が行われ、細かい準備調整が終わりました。1回目のアンケートの開始日が、近いうちに発表される見込みです。
くるまのニュース編集部