【アイスホッケー】 平野裕志朗(AHLユティカ、ECHLアディロンダック)五輪予選直前インタビュー 「結果を残して、若い人や子どもたちが歴史を書き換えてくれるのを楽しみにしたい」
日の丸を背負って戦える舞台は誰にも与えられるわけじゃない
アイスホッケーのミラノ・コルティナダンペッツォ冬季五輪(本大会は2026年)の男子3次予選が、2月8日からハンガリー・ブダペストで行われる。現地では24選手(大会登録は23選手)が合宿を行なっており、アメリカでプレーするFW平野裕志朗も日本代表に合流する。自宅で遠征の準備をしているさなか意気込みを聞いてみた。 ――久しぶりですね。あれ、前歯がかけているような…? 平野 ああ、これですか? 前回、AHL(アメリカン・ホッケーリーグ。NHLを筆頭とする2部リーグ)にコールアップされた時に3本、折れてしまったんです。 ――平野選手の「戦いの日常」のハードさが伝わってきますね。さて、五輪代表の合宿メンバーが日本でも発表になりました。平野選手の名前が日本代表にあることで、ホッとしているファンもいるのではないでしょうか。 平野 ニュージャージーにいるECHL(イーストコースト・ホッケーリーグ。NHLから数えて3番目のリーグ)の組織が「日本のために戦うこともいいんじゃないか」ということで、合宿に参加することを決めました。僕のところに話が来る前に、日本代表監督のペリー(・パーン)さんが直接、チームのほうに連絡を入れていたみたいなんです。僕は、夏に日本のアイスホッケー界に対する文書を送ったんですけど、日ア連や各チームも試合を組んでくれて「努力してくれているんだ」と安心していたんです。でも、その文書のことがあったので、日本代表のスタッフからは「裕志朗としては代表に参加することはどうなの?」と気にしてもらっていたんですよ。もともと「日の丸」を背負って戦える舞台は、誰にも与えられているわけじゃないし、しかもチームの中心として期待してもらっているわけです。「日本のために戦いたい」という希望は、もともと僕も強いものがある。合宿には、日本時間の1月31日に出発します。 ――ただ、アメリカで生存競争をかけた中で戦列を抜けるのは、本音をいうと、かなり痛いのではと思います。 平野 そうですね。ECHLでは6試合、抜けることになります。日本代表に行くと決めてからわかったことですが、僕はちょうどそのタイミングでAHLにコールアップされる予定だったそうです。後日、ユティカのGMから聞かされたことですが…。 ――12月半ばにECHLに戻って、そこから平野選手はAHLに呼ばれるために毎日、頑張ってきたわけですが、ハードラックというか、ちょっとショッキングなことですね。 平野 でも、予選を突破すれば、夏に最終予選で戦えるわけですからね。そこで日本のレベル自体がアップすると思うんです。そんな簡単な道ではないと思いますが、勝てばオフシーズンの過ごし方も変わってくる。そこを考えた上で五輪予選行きを決めました。
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