東福岡、8大会ぶり8強 エースFW伊波樹生が今大会初ゴール 指で彼女のイニシャルYを作るパフォーマンスも
第103回全国高校サッカー選手権大会3回戦(2日、東福岡1-0阪南大高、浦和駒場)9大会ぶり4度目の優勝を狙う東福岡が阪南大高(大阪)に1─0で勝利した。エースのFW伊波樹生(いは・たつき、3年)が今大会初ゴールを奪い、8大会ぶりの8強入りに導いた。 青春が詰まった一撃で復活を遂げた。不調に陥っていたエースの伊波が今大会初得点。右手を突き上げながらピッチサイドに駆け寄り、指でアルファベットを作るゴールパフォーマンスを披露した。 「あれは彼女のイニシャルです…。Yを作りました。応援に来てくれていたので、『きょうは絶対に決めるから』と約束していました」 照れ笑いを浮かべながら振り返ったのは、立ち上がりの前半8分だ。MF神渡寿一(3年)が巧みなドリブルで左サイドを駆け上がり、中央にパス。フリーでボールを受けた伊波がゴールキーパーの動きを見ながら右足を振り抜いて先制した。 鬱憤を晴らすゴールだった。1、2回戦は思うようなプレーができずに無得点。平岡道浩監督は「ここ2試合はパフォーマンスが低くて、表情も暗かった」と振り返り、試合前には「80分ボールに関わり続けたら必ずチャンスはくる」と声を掛けて送り出した。指揮官の信頼に応えた伊波は「この波に乗って、どんどん点を決めていきたい」と力を込めた。 エースのゴールでリードを奪うと、その後は県大会から無失点を継続する鉄壁の守備陣が奮起した。初戦で6得点を挙げた阪南大高にシュートを一本も打たせずに完封した。4日の準々決勝では5大会ぶりの3度目の優勝を狙う静岡学園と激突する。 「小学生の頃から選手権優勝を目標にしてきた。次の試合に勝って国立に行って、日本一になりたい」 自信を取り戻した伊波が『赤い彗星』を高みへと引っ張っていく。(鈴木和希)