韓国・格安航空会社の整備費、大韓航空の半分…高まる「安全性への懸念」
【01月01日 KOREA WAVE】韓国・務安国際空港で発生した済州航空機事故を受けて、韓国国内の格安航空会社(LCC)全般に対する安全性への懸念が広がっている。事故の明確な原因がまだ究明されていないものの、LCCが安全運航に関連する投資を相対的に軽視してきたことが背景にあるのではないかとの指摘が出ている。 韓国国土交通省によると、2023年の大手航空会社(FSC)の航空機1機あたりの整備費用は94億6000万ウォン(約10億5929万円)で、LCC平均の42億9000万ウォン(約4億5613万円)の2.2倍に達している。全体平均は74億8000万ウォン(約8億1182万円)だ。 安全分野への投資でも、航空機1機あたりのエンジンおよび部品購入費用はFSCが42億5000万ウォン(約4億5148万円)に対し、LCCは19億1000万ウォン(約2億315万円)で、2倍以上の差がある。さらに予備エンジンの確保率もFSCが20.3%で平均の17.2%を上回る一方、LCCは9.2%にとどまる。韓国国内航空会社が保有する予備エンジン195基のうち、FSCが166基、LCCは29基にすぎない。 国内で自社整備施設を有するのは大韓航空とアシアナ航空のみで、それぞれの整備費用は1機あたり116億ウォン(約12億3368万円)、124億ウォン(約13億1852万円)と計画されている。一方、LCCは自社施設を持たず、国内外の整備業者に委託している。2024年のLCC各社の整備費用は済州航空53億ウォン(約5億6309万円)、ティーウェイ航空28億ウォン(約2億9752万円)、ジンエア36億ウォン(約3億827万円)、エアプサン79億ウォン(約8億3957万円)にすぎない。 整備人員でも差が顕著だ。2023年の整備士数は、大韓航空2661人、アシアナ航空1302人に対し、済州航空469人、ティーウェイ航空344人、ジンエア272人、エアプサン181人と、LCC4社を合わせてもアシアナ航空に及ばない。航空機1機あたりの整備士数もFSCは16人程度であるのに対し、LCCはその60%にあたる10人前後にとどまる。 一方で、航空機1機あたりの月平均稼働時間は逆転している。済州航空469時間、ティーウェイ航空386時間、ジンエア371時間、大韓航空355時間、エアプサン340時間、アシアナ航空335時間――という順だ。 事故を受け、安全性より収益性を優先してきた航空会社の整備体制を全面的に見直すべきだとの声が高まっている。 (c)KOREA WAVE/AFPBB News
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