専門学校に進学予定の高3です。高等教育の修学支援新制度を利用しようと思いますが、学費を全額賄えません。奨学金を借りるのも不安……、親にも負担をかけずに進学する方法はありますか?
経済的な理由で、進学を諦める生徒がいます。そこで、住民税非課税世帯および準じる世帯の学生を経済的に支援するため高等教育の修学支援新制度(給付型奨学金および授業料等減免)が2020年からスタートしました。しかし、この制度で賄えるのは授業料等の一部です。 専門学校のなかには、働きながら学ぶことのできる、デュアルシステムや就職進学制度を導入している学校があります。これらの制度を利用すれば、経済的に自立しながら進学できます。本記事で、これらの制度について見ていきましょう。 ▼「大学無償化制度」の対象者とは? 年収要件や注意点を解説
専門学校の学費
公益財団法人東京都専修学校各種学校協会「令和5年度 学生・生徒納付金調査」によると、初年度納付金(昼間部)の平均は128万6000円となっています。しかし、そのなかには高額な学科もあります。例えば、医療関係では、「理学療法、作業療法」は182万9000円、「はり・きゅう・あん摩マッサージ指圧」は177万6000円などとなっています。衛生関係では「製菓」が高額で、171万9000円です。 一方、高等教育の修学支援新制度で支援を受けられるのは、専門学校生の場合、最大で入学金16万円、授業料59万円です。実習費、施設費などへの支援はありません。給付型奨学金(年額)は自宅生で46万円、自宅外生で91万円です。 このように、高等教育の修学支援新制度の対象になっても、専門学校の学費をすべて賄うことはできません。不足分は学生が賄うならば、貸与奨学金を併用するか、アルバイトで賄うしかありません。
デュアルシステムとは
デュアルシステムのポイントは、授業のカリキュラムの一部に企業での実習が組み込まれ、単位として認定される点です。 実際の職場で実習が行えるので、実践力が身につけることができるうえ、報酬ももらえます。また、卒業後の就職につながります。 例えば、ホテル系の専門学校の場合、専門学校の授業が終わったら、ホテルで働き、経験を積むことができます。 専門学校では、ハイレベルのおもてなしや、スタッフ同士のチームワーク、ホテルの専門知識を現場で学ぶことができます。ホテルの勤務は大変なことも多いですが、やり遂げることで、誰にも負けない実力と自信が身についていきます。 さらに、ホテルで勤務した給与がもらえますので、働く自覚を持ち責任感も身につきます。そして、勤務は授業の単位としても認定されますので、その分学校での授業を軽減できます。自分の実力を磨き、就職活動の際には自己PRに活用できますので有利です。