資本でも宗教でもない。社会起業家が模索する、もう一つの生き方。
終わりに
「自分に合うものを見つける旅に出ているんだ、これが人生なんだ」 田中さんのお話を聞きながら、まさに彼女にとっては人生と経営がリンクしているのだろうと感じました。 複雑に絡み合い、影響し合い、答えの見出せないこの世界。 その中にいるとつい目を背けたくなったり、考えるのをやめたくなってしまいます。 だけど「答えはない」と諦めつつも、「よりベターを見つけ続ける」...... 彼女の経営のやり方は、不確実で答えのない今における、一つの真摯な生き方のように感じました。 宗教でもなく、お金でもない。これから信じて進むべき軸とはなんだろう? 社会起業家に抱える一つの大きな葛藤は、もしかしたらこの問いなのかもしれません。 彼女はそこに「美」と答えてくれました。お金では買えない、自分の中の美。 その美を追求するために、今日も「甘い蜜」ではなく「水」を飲む。 そんな彼女の姿がこれからもSOLITそのものを作り、お金ではない資本を集めていくのだと思います。 取材・文:土門蘭 写真:金本凜太朗 編集:乾隼人