【独占】ロッテ福田秀平が語ったFA移籍の真実と古巣ソフトB甲斐キャノンとの勝負の行方「だから僕は前へ出る」
沖縄・石垣島キャンプは太陽を近く感じる。 「宮崎より暖かいですね」 キャンプ初日。福田秀平(30)は、今季1、2番コンビを形成する可能性があり、チーム内ライバルでもある加藤に「似合っていますね」と声をかけられた。 「まだまだ慣れないけれど、相手として見ていたロッテのイメージは消えて、今は、もうすっかりロッテの中に自分がいるという感じです。ピンストライプに袖を通し、ここでやっていくんだという気持ちになっていますね。1日、1日が新鮮です。ついていくのに必死だけど迷惑をかけないように浮かれず地に足をつけてやっていきたい」 たった2日で全身が筋肉痛。ここ数年なかった疲労感だ。 「体がパンパンです。キャンプ2日目で、これほど体に出るって最近ではないですね。緊張していることに加え、わからない動きもあるので」 これが目に見えぬFA移籍の重責なのかもしれない。 昨年オフにFA権を行使した。西武、中日、ヤクルト、楽天、ロッテの5球団による大争奪戦となりロッテを選んだ。そもそも福田は、なぜFAを決断したのか。12球団で最も選手層が厚い、激戦区のソフトバンクでは、何度も手にしかけながらもレギュラーポジションを獲得できなかった。きっと”試合に出たい”というプロ野球選手としての渇望が、その理由だと思っていた。実際、そういう報道も目にした。だが、福田は、「そういう記事が先行しちゃっているんですが、実は違うんです」と否定した。 「プロで13年もやっていたらレギュラーを取ることが、そんなに甘い世界でないことはわかっています。どのチームに行っても厳しい戦いがあります。”ここだから出れる”なんてチームはないんです。ホークスでもレギュラーを取れるチャンスが何回かあって、それを逃してきました。今考えると実力不足。そのとき、そのときは必死にやっているが、実力が足りないからスタメンを勝ち取れなかったんです。レギュラーを取る難しさはわかっています。僕がFAを決断した理由は、そこじゃないんです」 では何か? 「FAをすることで福田秀平という人物の評価を聞きたかったんです。価値や期待は周囲が決めることですが、自分の思っていた以上に評価してくれたことに驚いたんです。レギュラーも取れていない僕を評価してくれた。じゃあ、いっちょうやってやるか。挑戦しようという気になったんです」 FA権を得たとき、レギュラーではない自分の評価を確かめ、それを福田秀平第二章へのスタートを切る原動力にしたかったのである。