姉殺害で起訴“浅草資産家夫妻”の捜査は拡大継続中 警察は「あと2人いる親族の不審死も疑っている」
両親が4歳の我が子を“毒殺”したという衝撃のニュースから7カ月。東京・浅草でホテルを経営する資産家夫妻が、夫の姉に「エチレングリコール」を摂取させて殺害したとして殺人罪で起訴された。警察は別の親族の不審死についても夫妻の関与を疑い、捜査を拡大している。 【写真を見る】”魔性”で夫を籠絡したのか? 逮捕前、デレデレな様子で志保被告に寄り添う健一被告 ***
次女の事件は捜査継続
東京地検は9月27日、次女の美輝ちゃん(当時4)と夫の姉の美奈子さん(当時41)を殺害した容疑で逮捕されていた細谷健一(43)、志保(38)両被告を美奈子さんへの殺人罪で起訴した。 「両被告は3月から鑑定留置され、勾留が停止されていました。検察は責任能力があると判断し、まず姉の事件で起訴しましたが次女の事件についても処分保留にしたまま捜査を継続しています」(社会部記者) 美輝ちゃんは昨年3月13日、東京・浅草の両被告が住むマンションの室内で瀕死の状態で倒れているところを救急隊員に発見された。119番通報したのは健一被告。すぐに病院に運ばれたがその日のうちに死亡した。 夫妻の説明に不審な点があったことなどから警視庁が司法解剖を実施すると、遺体から車の不凍液に使われるエチレングリコールと睡眠薬・オランザピンの成分が検出された。
埋もれていた「5年前の事件」
「捜査が始まると警視庁はもう一人親族が不審死していることに気づきました。2018年に『病死』と判断されていた美奈子さんです」(同) 美奈子さんには行政解剖しか行われていなかったが、解剖を行った東京都監察医務院が研究目的のために腎臓を保存していた。 「改めて腎臓を調べてみると、エチレングリコールが体内に入った場合に確認される『シュウ酸カルシウム』が検出。両被告が、美奈子さんが亡くなる直前に美奈子さんを訪ねて飲食物を差し入れていたやり取りも見つかった」(同) そして警視庁は両被告を、今年2月14日に美輝ちゃん、3月6日に美奈子さんを殺害した容疑で逮捕したのだった。
半年間で「3人が死んでいた」
だがこれだけで捜査は終わらなかったのである。 「警視庁は美奈子さんが亡くなった前後に、立て続けに病死したとされていた健一被告の両親についても、夫妻の関与を疑っています」(同) 下記は細谷家の4人が死亡した時期を時系列で並べたものだが、これを見るだけでも怪しさが漂う。 ・2018年1月21日 健一被告の母親(当時68) ・2018年4月29日ごろ 細谷美奈子さん(当時41) ・2018年6月5日 健一被告の父親(当時73) ・2023年3月13日 細谷美輝ちゃん(当時4) わずか半年間で3人も亡くなっているのである。近隣住民もこう振り返る。 「あの年は異常だった。ついこないだお母さんのお葬式があったと思ったら、すぐに姉、そして父でしたから。みんな元気に暮らしていたのにびっくりしました」 警視庁は捜査を続けるうちに事件解明の糸口となりうる“新証拠”を発見したという。 「病院に父親の血液が残されていたのです。もし毒物を摂取していたとしたら何らかの痕跡があるはずだと今これを徹底的に洗っています」(前出・記者)