娘が理系大学志望で大学院にも進学したいそうです。奨学金を借りる予定ですが、娘が「返済できない」と言っています。大学院の授業料後払い制度が創設されたそうですが、どのような内容ですか?
大学卒業後の進路に大学院があります。大学院等への進学率は、12.5%(2023年)となっています。 学士課程修了者の進学率(2022年)を分野別でみると、「理学」は43.4%、「工学」は38.2%、「農学」が26.8%などと「理工農」への大学院進学率が高いのがわかります。国立大学であれば、理工系の学生は8~9割が大学院に進学するようです。 理系の大学に進学する場合は、大学院の学費もマネープランに入れておくと安心です。 ▼「大学無償化制度」の対象者とは? 年収要件や注意点を解説 大学院の学費が心配な場合は、従来、貸与奨学金でまかなっていましたが、2024年秋から、貸与奨学金と違う仕組みの大学院の「授業料後払い」制度が開始される予定です(今後変更となる場合があります)。FPがポイントを解説します。
大学院(博士前期課程)の分野別授業料、入学料および施設設備費の状況
大学院は、大学の学部で学んだ分野について、さらに専門的に研究を行う教育機関のことです。 大学院の課程には、修業年限2年の「修士課程」と修業年限5年の「博士課程」があります。その他、高度専門職業人の養成に特化した「専門職学位課程」があります。標準修業年限は2年(法科大学院は3年)です。 令和5年度の博士前期課程(修士課程を含む)の初年度納付金(入学料・授業料・施設設備費)は全平均で107万5806円、博士後期課程(博士課程を含む)の全平均は84万7011円、法科大学院など専門職学位課程の全平均は131万7460円となっています。 博士前期課程の初年度納付金について分野別に詳しくみてみましょう。 ●人文・社会科学:授業料72万2195円、入学料19万7756円、施設設備費6万4218円、合計98万4170円 ●理・工・農学:授業料87万477円、入学料19万9709円、施設設備費7万3097円、合計114万3283円 ●保健:授業料75万679円 入学料22万2643円、施設設備費7万4119円、合計104万7440円 ●家政・芸術:授業料89万3976円、入学料22万4774円、施設設備費19万4044円、合計131万2793円 となっています。 ちなみに、私立大学学部だと、初年度納付金は文科系学部が119万4841円、理科系学部が153万451円などとなっています。大学院は学部ほど学費が高くなく分野間のばらつきが小さいことがわかります。