<西園寺さんは家事をしない>最終回は「挑戦」の回に ドラマPが振り返る 松本若菜、松村北斗、津田健次郎は
--現場での松本さんはどのような様子でしたか?
西園寺さんと若菜さんって、共通項が多い人なのかもしれないと思っていて。若菜さんがいるだけで現場は明るくなるし、カラッとしていながらもいつもさりげなくいろんなことに気をかけてくださる。西園寺さんはセリフも多いし、主人公なのでやはりどうしたって出ずっぱりになります。とても大変だったと思うのですが、いつも穏やかで明るくて、ポジティブな空気を醸し出してくださっていました。
現場のワクワクする空気は若菜さんが作ってくれていたと思いますし、そのお芝居の力でいつも現場のモチベーションを上げてくれていたことに感謝しています。俳優さんとしてもずっと好きなかたではありましたが、人間力も本当に本当に魅力的で。この数カ月一緒に過ごして、ますます大好きになりました。
◇松村北斗が築いた倉田瑛茉との信頼関係
--複雑な役どころを演じた松村さんのお芝居はいかがでしたか?
松村さんのお芝居の繊細さには圧倒されました。演じているように見えないというか、お芝居に見えない瞬間があるんです。「楠見俊直」という人がここにいる、という感覚になるというか。第1話や前半のまだ心にシャッターがある状態の楠見の頑なで張り詰めた空気感、中盤の西園寺さんや周りの人に心を開いて柔らかくなった変化、そして後半に西園寺さんと過ごした日々の影響の大きさを感じさせるような新しい表情や感情……それまでまとっていた鎧が少しずつ剥がれ落ちていく楠見の変化を、驚くほど丁寧に繊細に積み上げてくださって。
楠見が変わっていく様、そして感情が大きく動いていることが見えるお芝居には、いつも心が揺さぶられました。かと思えば、コミカルな表情や動きをさらっと見せて笑わせてくれたり! でもそのコミカルさの塩梅や差し込み方もとても緻密なんですよね。彼のお芝居の奥行き、丁寧さ、繊細さには本当に驚かされました。こんなに近くでそのお芝居を拝見できて私もとても勉強になりましたし、このお芝居に見合う良いドラマにしなければと身が引き締まりました。