<西園寺さんは家事をしない>最終回は「挑戦」の回に ドラマPが振り返る 松本若菜、松村北斗、津田健次郎は
--特に印象深かった反響はありましたか?
本作では、主人公の西園寺さんたちが“偽家族”という前例のないことを始め、どんどん進んでいく姿が描かれています。要は、誰も観たことがない「家族」「愛」「幸せ」を作っていく物語を描こうとしていました。でも「誰も見たことがない」ということは、理解してもらうのが難しいということでもある。
「何言ってるの?」「よくわからない」と感じる方もたくさんいるかもしれないと思っていたんです。でも、そんな心配をよそに、肯定的に受け止めてくれる方、面白がってくれる方が本当に多かった。皆さんが、西園寺さんたちと一緒に前例のない形を探して考えてくれていることが伝わってきて。視聴者の皆さんが西園寺さんや楠見を信頼してくれて、「西園寺さんたちならこの問題を解決してくれそう!」「なにか新しい形を見つけてくれそう!」と思ってくれていたんだなと。そういった反応がとてもうれしかったです。
--“胸キュンのTBS火ドラ”枠で、ラブコメを通して新しい家族のロールモデルが描かれることも珍しかったと感じます。
私自身、“火曜ドラマ”がすごく好きなので、この枠が持つ特有の軽やかさはしっかり継承して、大事にしていきたいと思っていました。ただ、ラブコメとはいうけれど、その“ラブ”は“恋”だけじゃないというところに切り込んでみたかったんです。それはきっと、私自身が出産して家族が増えたことが大きかったのかもしれません。
とんでもなく大きな愛や、誰かを心から大事だと思う気持ちがこの世には存在するんだなということを知りましたし、その周りには手を差し伸べてくれる人や見守ってくれる人がこんなにもたくさんいるのかと知って、人と人との繋がりや思いやりという大きな優しさや愛情にたくさん触れました。
それで、“恋”に収まらない大きな愛を描いてみたいと思うようになりました。恋やキュン、家族、幸せ、思いやり。それをどう配合するかを考えながら、今までの火曜ドラマとは少し視点をずらした作品にすることは意識しました。