お股ニキ、エース菅野智之を直撃! "打倒阪神"に燃える巨人が"投手王国再建"へ【阪神・巨人沖縄キャンプリポート②】
2月にもかかわらず夏日が続いた、南国・沖縄。セ・リーグの覇権を争う"東西の名門球団"の春季キャンプを現地視察した週プレ本誌おなじみの野球評論家、お股ニキ氏が投打の仕上がり具合、復活を期すエースの状態、注目を集める若き新戦力などを詳報する。【"セ・リーグ優勝候補"阪神・巨人沖縄キャンプリポート②】 【写真】昨季の雪辱を期し、並々ならぬ闘志を燃やす菅野 ■阿部新体制で"投手王国再建"へ 阿部慎之助新監督の下、沖縄セルラースタジアム那覇(那覇市営奥武山[おうのやま]野球場)で第2次キャンプを張った巨人。今季は"打倒阪神"を掲げ、心機一転、新体制でのスタートとなるが、2年連続でBクラスに沈んだ昨季は、とにかくリリーフ陣が弱点だった。 先発陣はエースに成長した戸郷翔征(しょうせい)、後半戦で活躍した赤星優志、シーズン通して実力を発揮した山﨑(やまさき)伊織、終盤に状態を上げた菅野智之、外国人のフォスター・グリフィンやヨアンデル・メンデスら人材は豊富だったが、リリーフ陣を整備できず、勝てる試合を落とし、接戦で勝ち切れなかった。 セ・リーグを連覇した2020年頃にはリリーフ陣は整備されていたが、無計画な運用で不必要な登板を重ね、中川皓太や畠世周(せいしゅう)らが故障。また、サイドハンドに偏重した編成も課題となっていた。 力のある中継ぎが少ないため、そもそも1イニングを持たせることができず、良い投手から先に投入せざるをえなくなり、リリーフ陣がさらに疲弊する......という悪循環を昨季も断ち切れなかった。 その課題を克服すべく、このオフの積極補強でリリーフの頭数をそろえた。トレードで泉圭輔と高橋礼(共にソフトバンク)、近藤大亮(たいすけ/オリックス)を獲得。さらに阪神を退団したカイル・ケラーと契約し、同じく阪神から現役ドラフトで馬場皐輔を補強した。 今回、キャンプでブルペンを見学して、先発もリリーフも陣容が整ってきていることを実感できた。赤星は滑らかなフォームで投げており、まるで"阪神の投手"のよう。中川も力のある球で復活を期待させた。泉も本来の力を発揮できれば十分やれるはず。高橋も高めに伸びるようなストレートを投げていた。 外国人もグリフィンだけでなく、メンデスもかなり良い。アルベルト・バルドナードも体がキレてきたら面白い。ケラーも力強く、カーブだけでなく、スプリットもしっかり投げていた。