「もう一回、一からその座を奪えるように」再び勝利の方程式入りへ 巨人・中川皓太【2025復活にかける男】
巨人・中川皓太投手(30)が、復活へ向けた決意を胸にオフシーズンを過ごしている。プロ9年目の昨季は開幕から勝ちパターンの一角で起用されたが、左膝を痛めた影響で4月中旬に登録を抹消。6月に1軍復帰を果たしたが、本来の投球には遠く、8月1日の登板を最後に1軍から遠ざかった。15試合に登板して0勝2敗、防御率8・76。「ほぼ2軍にいた。自分がいない時に優勝することはとても悔しいことでもある」と、歓喜の瞬間を味わえなかったことが、復活への思いを強くする要因でもある。 昨年12月、ジャイアンツ球場での自主トレでは、下半身の柔軟性を高めるトレーニングを一人で黙々とこなす姿が印象的だった。「機能的にしっかりと自分の体を使いこなせるように。柔軟性はもちろん大事だし、けがも何回かして、硬くなっているところも感じる。地面に着いているのは足なので、そこからパワーをもらって投げることにもつながるし、大事かなと」。年齢を重ねたことによる肉体の変化にも対応しながら、年間通して戦い抜く肉体作りを目指している。 今季は、中日からライデル・マルティネスが加入。阿部監督は昨季守護神を務めた大勢を8回、マルティネスを9回に起用する構想を明かしている。勝利の方程式入りは昨季以上にハードルが高くなることが予想されるが、中川は「勝ちに貢献するようなポジションでやりたい、というのは選手をやっている以上は一番だと思う。そこの厳しさとか楽しさは分かっている。いい投手がたくさんいるので、もう一回、一からその座を奪えるように頑張りたい」。故障に泣き、苦しんだ1年を糧にして、もう一度はい上がる。(巨人ファーム担当・小島 和之) ◆中川 皓太(なかがわ・こうた)1994年2月24日、大阪・富田林市生まれ。30歳。山陽高(広島)では甲子園出場なし。東海大では主に先発として活躍。2015年ドラフト7位で巨人入団。3年目の18年8月19日の中日戦(東京D)でリリーフ登板し、プロ初勝利をマーク。22年オフに育成契約。23年5月支配下に復帰。183センチ、86キロ。左投左打。
報知新聞社