「成人した時は不安でグラグラだった」30代の豊田エリーが18歳の自分にいま伝えたいこと
10代から女優・モデルとして芸能活動を続け、現在33歳の豊田エリーさんは、21歳で俳優の柳楽優弥さんと結婚し、出産するなど、10代後半から20代にかけて人生の大きな節目を迎えた。しかし、成人になった時は「大人として生きていかなきゃいけないという不安でいっぱいだった」と振り返る。豊田さんに当時の心境や、2022年4月から民法改正で成人年齢が引き下げられたことについて思うこと、そして自身が考える“大人像”について聞いた。(Yahoo!ニュース Voice)
子どもでいられることに甘えていた10代。そして、不安でグラグラだった20歳の時
――2022年4月1日から、成人年齢が18歳に引き下げられました。そのことについて、豊田さんはどう思いますか? 豊田エリー: 大人の立場からすると、「良いところと不安なところが混ざっている」というのが正直な感想です。良いところは、進学や仕事、家の契約といった新しいことを始めるときに、18歳で自立心を持って自分の意志で決められるところです。家庭が一番居心地の良い場所ではないという子どもたちもいると思うから、そういう子たちにとって早く自立できるのは良いことだと思います。 一方で不安なのは、保護者の承諾なしにさまざまな契約ができるようになることですね。高校生を狙う悪い大人たちがでてきても、周りの大人が「もう成人だから助けてあげられない」となってしまうのが不安です。だから、なるべく周りにいる大人たちが親身になってアドバイスをしなければと思います。 私が18歳の時は、「進学しない」という大きな決断をして「仕事を頑張ろう」と決めた年でした。周りの友人は進学しましたが、私はすでにモデルやお芝居の仕事をしていて、全神経をそちらに集中しようと思って決めました。 ――20歳で成人になった時の心境はどうでしたか? 豊田エリー: 正直に言うと、10代の頃は子どもでいられることに居心地の良さを感じていたので、それにすごく甘えていました。そのため、成人を迎えた時は「これからはいろんな責任を自分で負わないといけないんだ」という不安が大きかったです。言い訳ができなくなるというか。そういった「大人として生きていかなきゃいけない」という不安と、進学せずに仕事だけをしていくと決めながらも「本当にこの仕事でやっていけるのか」という将来に対する不安とで、グラグラと不安定な時期でしたね。 だから「お酒が飲めるし、自分でいろんなことが決められる!」といった晴れやかさはあまりなかったかもしれない。どちらかというと「もう大人になっちゃった」という感覚でした。 ――豊田さんは、21歳で柳楽優弥さんとご結婚をされています。同世代よりも早く責任を持つことに対して、どう考えていましたか? 豊田エリー: まさに結婚した年、一年の締めくくりに自分の中の「今年の漢字一字」を考えていて、責任の「責」という字にしたことをすごく覚えています。それくらい責任の伴う決断や選択が続いた一年でした。だからといって責任が重いというよりも、その責任を栄養にして、仕事や子育てを前向きに、芯を持って頑張れると思っていたので、ポジティブに捉えていました。 20歳で成人になった時の漠然とした不安よりも、結婚をして子どもを授かったことで「これを守るために頑張れば良いんだ」というはっきりとしたものが見えた気がします。 ――これまでの人生で、自分自身が「大人になったな」と感じた瞬間はありましたか? 豊田エリー: 運転免許はけっこう前に取っていたんですけど、ずっと運転をしていなくて。子どもが生まれてから「車があった方が便利だな」と思って運転を練習しなおして、チャイルドシートに子どもを乗せて運転した時に、すごく「大人になったな」と思いました。 あとは、それこそ車を初めて買った時。ローンを組んで買ったのですが、そういった契約をすることもそれまではあまりなかったので、初ローン・初車は大人の一歩だなと思いました。自分の納得のいくまで調べて買いましたね。 ――これからお子さんが成人を迎えられた時に、どうサポートしたいですか? 豊田エリー: 娘がいま11歳なので、7年後にはもう成人になると考えるとあっという間ですね。どんなことをやってあげられるかはまだわからないんですが、その時までに自分もいろいろと勉強をして、「お母さんに相談できる」っていう存在でありたいなと思います。ささいなことでも言ってもらえる人でいられるように、信頼し合える関係性をこのまま続けていけたらなっていうのが一番ですね。成人したからといって関係が変わるわけではないので、娘が大人になってもできる限りずっと何でもサポートしてあげたいなって思います。