監督交代、主力流出、残留争いも…浦和の強化手腕に課題、積み上げは「果たされているのか」【コラム】
スコルジャ監督が思い描く来シーズン「私が作りたいのは…」
そして、その間に監督交代まで決断して激動の時間になった。スコルジャ監督の指揮下では4連敗もあり、J1残留争いに一度は本格的に足を踏み入れた。失点は少ないが、得点力に欠けるチームなのはちょうど1年前の昨季終了時と同じだが、選手構成は多少スケールダウンしている。浦和にとって今季の意味がどこにあったのかは問われざるを得ない。 スコルジャ監督は来季に向け「来季にやろうとしているサッカーを考えれば、それにあった特徴の選手を獲得しなければいけない。そして来季、浦和に最適な選手たちを揃え、パフォーマンスを上げていきたい」と話す。そして「私が作りたいのはゲームコントロールをできるチーム、現在より効果的なビルドアップをしながらプレーできるチームだ」とも言葉にした。 強化体制が刷新され強化部門がフットボール本部として立ち上がって5シーズンが経ったが、結果的には4回も監督交代が起こった。それでも天皇杯を足掛かりにACLを制した結果としてクラブW杯への出場権を獲得したことは成果だが、腰の据わった安定したチーム強化、積み上げが果たされているのか疑問が強まる中で今シーズンを終えることになった。
轡田哲朗 / Tetsuro Kutsuwada