トランス男性の友失った悲しみ繰り返さない 函館の支援団体、ピロシキに「多様性」願う
宮本さんが亡くなってから10年以上がたった。北見さんは、自分が生きるだけでも精いっぱいだったはずの宮本さんが、支援者として当事者から頼られっぱなしだったことに気が付いた。「みやもは友達がたくさんいたけれど、一緒になって支援活動をするチームこそ必要だったんじゃないか。RHPのように一緒に活動してくれる人がいれば、みやもは亡くならなかったかもしれない」。今になってそう思う。 今年5月には「にじいろほっかいどう」が、LGBTQ+についての本を読めたりできる常設コミュニティースペース「はこにじ」を函館市に開くなど、支援活動が広がっている。「函館が誰もが自分らしく生きられる街になりますように」。北見さんは祈っている。 * * * 電通が2023年6月、全国の20~59歳の計5万7500人を対象に実施した調査では、LGBTQ+当事者は9・7%で、20年の8・9%から微増した。関係情報の増加で性自認や性的指向への気付きが進展したことが要因の一つと推測される、と説明されている。